2011年11月10日木曜日

TPP亡国論:環太平洋戦略的経済連携協定

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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/10 08:39
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/10/2011111000429.html

日本で「TPP亡国論」が広まる
与野党議員が「農業を滅ぼす」などと主張

 東京で最近、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる交渉への参加に反対する集会が行われ、民主党、自民党、国民新党、共産党、社民党に所属する議員約100人が出席、頭に赤い鉢巻きを巻いて熱弁を振るった。
 国民新党の亀井静香代表は
 「日本が滅亡の道を歩もうとしている」
と述べ、社民党の福島瑞穂党首は
 「農業や国民の生活、生命が破壊される」
と力説した。

 野田佳彦首相は10日にも、TPPをめぐる交渉への参加を決断するとみられるが、これを前に日本では、民間だけでなく与野党の議員まで前面に出て「TPP亡国論」を広めている。
 TPPへの参加によって、多くの農民たちが職を失い、国民健康保険制度が崩壊し、デフレがさらに深刻化して、日本が滅亡の道を突き進むという主張だ。
 最近は
 『TPP亡国論
 『亡国最終兵器TPP
といった刺激的なタイトルの本が人気を集めている

 農業崩壊論に対し、専門家たちは
 「日本のコメ農家の大部分は工場にも勤務する兼業農家で、全ての農民が農業によって得ている収入は8%にすぎない」
とした上で
 「TPPに参加しないまま、製造業の海外移転が加速化すれば、兼業農家たちはさらに大きな打撃を受ける」
と反論した。
 日本はTPPへの参加による被害を補填するため、農業補助金を3兆円に増やす方針だ。
 一方「亡国論者」たちは、TPPによって価格の安い農産物が流入し、物価の下落が加速化すれば経済がさらに疲弊するという「デフレ進行論」も主張している。
 だが、日本が20年間にわたってデフレに苦しめられているのは、少子・高齢化によって内需が引き続き縮小したためで、TPPを通じた貿易の活性化はむしろ、デフレからの脱出に貢献し得ると指摘する声が多く出ている。

 一方、医療保険制度の崩壊論は、米国が保険を適用していない医療サービスの開放を要求するという点を根拠としているが、日本政府はTPPをめぐる交渉で、医療・保健制度を維持するという意向を示している。
 また一部では、米国の強力な著作権法が導入され、漫画の主人公の衣装を着用する「コスプレ」も禁止されるという主張もある。
 さらに極右勢力は、TPPによって日本が米国の植民地に転落し、天皇制が廃止になる恐れがあると主張している。
 だが野田首相は
 「交渉に参加してこそ、日本に有利なTPPをつくることができる」
と反論している。

■TPP
 「環太平洋経済パートナーシップ協定」または「環太平洋戦略的経済連携協定」と訳される。
 自由貿易協定(FTA)は2カ国間の貿易協定だが、TPPは米国や日本など10カ国の参加を目標とする多国間の貿易協定だ。
 商品の関税を撤廃するだけでなく、知的財産権や労働に関する規制、金融や医療などの分野の非関税障壁の撤廃などを目標としている。





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