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● 【図 日本の名目GDPの推移(単位:十億円)】:google画像より
『
朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/16 11:20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/16/2011111601103.html
【コラム】韓国経済、今何をすべきか
英経済誌『エコノミスト』は最近、3ページにわたり、韓国経済の輝かしい成果について取り上げた。
記事によると、韓国は今年末に購買力平価ベースで1人当たり国民総生産(GDP)が3万1750ドルに達し、欧州連合(EU)の平均(3万1550ドル)を上回ると指摘。
財閥への経済力集中、脆弱(ぜいじゃく)な中小企業、所得格差など韓国経済が抱える弱点にも触れているが、全体的には、先進国が過去数年間、世界的な金融危機、財政危機で揺らぐ中で善戦し、
先進国に追い付いた「成功モデル」として韓国が描かれた。
記事のタイトルは
「頂上に達し、何をすべきか」
だった。
韓国がほぼ頂上に到達したとは―。
だから何をすべきかとは―。
それはあたかも
「合格ラインにはまだ遠い。
英語の点数を30点上げないと就職できない」
と参考書を読み込んでいる若い求職者に
「君の英語力は十分だ。
それで世の中とどうコミュニケーションを取り、人生で何を追求するのか」
と問い掛けるようなものだ。
答えが決まった試験に慣れた韓国の受験生のように、これまでは韓国経済の答えも比較的明快だった。
個々人が「なせば成る」という精神で武装し、潜在力を極大化した結果、国家経済が成長の道を歩んできたからだ。
わずか4年前、成長率7%、世界7位の経済大国を目標に掲げた李明博(イ・ミョンバク)大統領が有権者の高い支持を集めたように
「先進国と肩を並べるためには、韓国はさらに走らなければならない」
と考える人が多かった。
ところが、状況は一変した。
産業化時代には
「日本のように行えばよい」
と考え、通貨危機に直面すると
「米国式のグローバル・スタンダードで行えばよい」
と考えてきたが、今や米国経済も日本経済も「なせば成る」の目標とは言えなくなった。
経済規模世界7位が目標だというが、現在15位という順位にあっても、韓国は8位のイタリアより称賛を浴びている。
イタリアの名目GDPは韓国の2倍だが、GDPを上回る借金にまみれ、経済が傾いているからだ。
国内的にも「なせば成る」という高度成長時代のDNAは、
減速時代に差し掛かった韓国社会にとって正しい答えではない。
10月26日に行われた首長・国会議員の補欠選挙で明らかになったように、親の世代は「なせば成る」と生活を切り詰め、次世代を育て上げたが、雇用事情の悪化で「なせども成らない」挫折世代との落差と不満ばかりが拡大している。
往々にして「なせば成る」という闘志が度を過ぎ、
「してはならない」というルールまでも犯す反則王が幅を利かす社会になった。
ゆえに「なせば成る」というリーダーシップではなく、
1. なせども成らないことは国民に断念させ、
2. してはならないことを説得し、
3. われわれは何をできるのか、知恵を提示するリーダーシップ
が求められている。
こうした中、ハンナラ党の朴槿恵(パク・クンヘ)元代表は、
成長率の代わりに雇用率、幸福指数といった指標を重視する
という答案を示した。
大統領選への出馬がうわさされる安哲秀(アン・チョルス)氏は、保有株の半分を社会に還元する考えを示した。
「なせば成る」と半世紀にわたりアクセルを踏み込んできた韓国経済には
「何をすべきか」という主観的な問題
が投げ掛けられた。
エコノミストにもこれといった解答は見当たらない。
海外にも目安となる課外教師はいなくなった。
政治指導者も、有権者も、これまで見たこともないような問題でリーダーシップのテストを受けなければならず、
韓国経済は自己主導の学習段階に入らなければならない。
』
韓国も課題先進国に入りつつあるようであるが、その課題解決策を示せるのか。
「上昇志向の韓国人が切り開く未来 」などと言っているようでは、難しいようである。
頂上に達したことによって発生している問題を、
頂上に向かう歩みで解決しようとしてもおそらく無理だろう。
日本は下向きになるに十分は時間があり、それに対する心構えを持つ余裕が与えられていた。
ここ20年近くGDPはほぼ同じ水準で推移してきた。
そのことから、日本の経済成長は終局に達したと皆が納得できたし、納得する時間的余裕も与えられた。
が、韓国の場合、ある日突然、朝起きると落下し始めていた、ということにもなりかねないような気がする。
そんなとき、人はどういう心理状態になるだろうか。
当然パニックになるが、次にとる行動は。
一斉に銀行に駆け込むだろうか。
「課題先進国」あるいは「課題解決先進国」というのは、経済成長が頂上に達したあとの進むべき道のアウトラインの一つを示したものということができよう。
内容的には明るく楽観的でいいが、実際にはもっと暗いギリギリでの歩みになろうかと思う。
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