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● 遠交近攻(遠きと交わり近きを攻める)
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/27 10:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/27/2011112700105.html
【コラム】中国は「いいワニ」、米国は「悪いワニ」?
1980年代の初めごろに訪れた西アフリカの国家には、誕生日が自国の独立記念日と同じだという人が実に多かった。
毎日毎日うだるような暑さが続くため、時間の感覚が鈍くなり、誕生日も適当に決めている、という雰囲気だった。
この国が残酷な内戦で世界を驚かせたのはわずか十数年前のことだが、内戦が発生した年を記憶している人はほとんどいなかった。
個人の「時間感覚」だけでなく、国民の「歴史感覚」まで鈍ってしまったわけだ。
さらに奇妙だったのは、エアコンをフル稼働させても汗が流れ落ちるような蒸し暑い国の国会議長が、英国人のようにふさふさとした金髪のかつらを付けて社会を眺めていたことだ。
赤道直下に位置するにもかかわらず、かつてこの国を植民地支配下に置いていた英国と同じ緯度にあると錯覚しているようだった。
「地理感覚」までおかしくなってしまったわけだ。
あふれるほど石油が湧き出ているにもかかわらず夜道が暗く、貧困から抜け出せない理由が推測できた。
世界がうらやむような華やかな歴史を持ちながら、左派・右派の両政党による見境のない福祉競争で借金漬けになり、窮地に陥っているギリシャやイタリア、スペインなど地中海沿岸部の国家も、似たような状況だ。
自分の国が歴史の中でどのような階段を上っているのか、世界のどこに位置しているのかを把握できず、
泥沼にはまっていった。
最近では、2000年6月に韓国で起きたニンニク騒動が記憶に新しい。
韓国産のニンニクの価格が急騰し、韓国産と中国産の価格差が開くと、韓国産の半額以下だった中国産の冷凍ニンニクが大量に流入した。
人海戦術をほうふつとさせる上陸作戦だった。
この一撃に、ニンニク農家は一様に打ちのめされた。
追い込まれた韓国政府は、2003年5月まで、中国産ニンニクに対する関税を最高315%まで引き上げる緊急輸入制限という措置を取った。
だが、この対応は実は失敗だった。
中国側は、中国産ニンニクの輸入額の50倍に達する韓国製の携帯電話とポリエチレンの輸入を禁止するという報復に出たのだ。
このような荒々しい手段に出られると、もうお手上げだった。
韓国は結局、中国産ニンニクの関税を30―50%まで引き下げ、緊急輸入制限措置の発動可能期限を1年短縮するという形で中国に屈したのだ。
このような痛みを味わっていた時代に、韓国の左派系市民団体が、国際的な常識を破った中国の報復に抗議する集会を開いたことは一度もない。
ソウル市庁前広場で中国を糾弾するプラカードを掲げたこともない。
韓米自由貿易協定(FTA)交渉団をワシントンまで追い掛けたその勢いはどこへやら、天安門広場のデモのような大規模な反発は全く起こらなかった。
「農薬を多量に使った中国産ニンニクを食べると寿命が縮まる」
などというデマが流れてもよさそうなものだが、そんなデマすら生み出せなかった。
当時、左派の国会議員や政治家たちはどこにいたのか、思い出すことすらできない。
そんな左派系勢力が最近、韓米FTA反対デモの先頭に立ち、あきれるようなデマを主張している。
個人の記憶喪失といったレベルではない。
これは韓国の左派の集団記憶喪失症であり、歴史感覚がどこかへ消えてしまったという恐ろしい事態だ。
特定の国家の前ではおとなしくなる、長いものには巻かれようとする意識、
事大主義とはまさにこのことを指している。
済州島の海軍基地建設現場では左派が反対闘争を繰り広げたが、この過程で浮き彫りになった左派の歴史感覚と「地理感覚」もひどいものだ。
中国が2009年に正式に発表した国防費は、韓国の3倍を超える。
表に出ない予算を含めると、ほぼ5倍近いと考えてよいだろう。
中国の国内総生産(GDP)は、10年後には現在の2倍以上に増加すると見込まれ、そのときの国防費は韓国の数十倍に達していると考えられる。
西海(黄海)が中国の空母艦隊の運動場
に変わってしまうかもしれないのだ。
韓国の左派系の各団体は、迫り来る将来について心配するどころか、海軍基地を建設すれば平和が破られるとして、建設工事の妨害を続けた。
隣国である「中国ワニ」は「いいワニ」だから、その口で頭にかぶりつかれても引き裂かれる心配はないが、遠くに住む「米国ワニ」は「悪いワニ」のため、指先をかまれただけで全身が引き裂かれてしまう、というレベルの低い発想だ。
遠交近攻(遠きと交わり近きを攻める)、
勢力均衡といった言葉を熟知していない人々だ。
このところ政界では左右両派が福祉論争を繰り広げているが、ここでも
レベルの低い「歴史感覚」と「地理感覚」
が入り乱れている。
現社会の課題である「福祉」という高地に登るためには、どこかに「ベースキャンプ」を張った上で順番にキャンプを設置し、頂上を目指すべきなのに、そういった「戦略的思考」はどこを探しても見当たらない。
この国のことを、食糧に困ることなく空を飛ぶ鳥や、南太平洋に浮かぶ地上の楽園のような島と勘違いしているようだ。
このような無謀な登山隊を待ち受けているのは遭難事故だけだ。
苦難の歴史だけでなく国まで失ったまま、不慣れな土地をさまよって身に付けた地理感覚まで無くしてしまったわけだ。
盲目の政治家たちが先頭に立ち、足腰の弱い国民が後に続くような国ほど危険なところはない。
下向きの平準化という泥沼にはまり、国民まで周囲が見えなくなってしまうのは、時間の問題だろう。
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「遠交近攻」とはアメリカと組んで日本を攻める、そんな筋書きかな。
いま、日本は中国を仮想敵国として軍備を睨んでいる。
「沖縄が中国に侵略された」という想定だという。
ハッキリと中国を視野にいれた、防御体制を組みつつある。
反日思想から「日本を攻める」という論理からいうと、韓国にとって手を組む相手はアメリカしか残されていない。
中国とは、何とかうまくやっていくしか道はない。
左の連中はそのことをよく理解しているようである。
中国と事を構えたら韓国の未来はない。
そのことを彼らは熟知している。
この論者こそ、前が見えていない。
中国は敵対できる相手ではないのだ。
日本の場合、周囲が海という地政学的好条件が揃っているからなんとかやっていけるが。
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