2011年11月11日金曜日

宇宙誕生と地球構造

_


● 宇宙最初の星の誕生から3万年後となる計算結果を表す図。
 中心に星があり、上下方向にガスを吹き飛ばしている(京都大などの研究チーム提供)  



NHKニュース 2011年11月11日 4時19分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111111/t10013885581000.html

宇宙最初の星 太陽の40倍

 宇宙で最初の星は、137億年前の宇宙の始まりから数億年後に誕生し、およそ10万年かけて太陽の40倍の重さに成長したとみられることが、京都大学などの研究グループのコンピューターシミュレーションで分かりました。

 京都大学と東京大学の研究グループは、宇宙の始まりとされる137億年前のビックバンから数億年後に誕生した、宇宙で最初の星の成長過程を、コンピューターシミュレーションで初めて再現しました。
 シミュレーションによりますと、「原始星」と呼ばれる最初の段階では、太陽の100分の1程度の重さですが、周りのガスを重力で集めて徐々に大きくなり、およそ10万年後には、核融合反応で自ら光を放つようになります。
 原始星は、これまで周りのガスが降り積もることで、太陽の数百倍の重さに成長すると考えられていました。
 しかし、シミュレーションの結果、星が重くなるのに伴って、周りのガスが熱せられて吹き飛ばされるため、原始星は太陽の40倍の重さまでしか成長しなかったということです。
 この結果は、地上の天体望遠鏡の観測結果から推定された宇宙最初の星の重さとほぼ一致するということで、研究グループは、観測結果と矛盾しない理論を初めて示すことができたとしています。
 京都大学の細川隆史研究員は、
 「宇宙最初の星の重さは、その後の宇宙の進化に大きく影響することから、進化の過程を解明していきたい」
と話しています。
 研究結果は、11日、アメリカの科学雑誌「サイエンス」の電子版に掲載されます。






asahi.com 2011年11月11日5時6分
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201111110003.html

宇宙「初代の星」は巨大になれず=太陽質量40倍が限度―観測手掛かりに

 宇宙が約137億年前にビッグバンで誕生してから数億年後、水素とヘリウムのガスから形成された「初代の星」は、太陽質量の約40倍までしか成長できなかった可能性が高いことが分かった。
京都大と東京大、米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所の研究チームがコンピューターのシミュレーションで解明し、10日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。

 初代の星はこれまで、太陽質量の数百倍もの巨星に成長するとの見方が有力だった。
太陽質量の約40倍の星の場合、400万~500万年で寿命を迎え、非常に明るい超新星爆発を起こすケースがあると考えられ、地上の大望遠鏡や天文衛星で初代の星を探す際に手掛かりとなる。
初代の銀河の形成過程の解明にも役立つという。 
[時事通信社]





Jiji.com 2011/11/11-05:20
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011111100056&google_editors_picks=true

地球の外核は2層構造=地磁気反転の原因か
-高温高圧で再現・東工大など

  地球の中心部にある液体状に溶けた鉄などでできた「外核」(深さ約2900~5150キロ)は、これまで考えられてきた均一なものではなく、密度の異なる 2種類の結晶を含む2層構造の可能性が高いことを、東京工業大と海洋研究開発機構、高輝度光科学研究センター(兵庫県佐用町)の研究チームが明らかにし、 11日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 外核を構成する液体金属は対流しており、地球を取り囲む地磁気の源になっている。
 地磁気は数万~数十万年に1度の割合でN極とS極が反転するが、2層構造と仮定するとこの逆転現象を説明できるといい、研究チームはシミュレーションを進める。
 東工大の広瀬敬教授らの研究チームは、ダイヤモンドとレーザーで高温高圧を作り出す装置を開発し、地球内部の状態を再現。
 外核の主成分の一つ、酸化第一鉄(FeO)を227万~324万気圧、約4000度の外核と同じ条件にし、同センターの大型放射光施設「スプリング8」で結晶構造の変化を調べた。




毎日新聞 2011年11月11日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20111111ddm002040060000c.html
 
地球構造:地下4000キロで変化 東工大が酸化鉄の実験で確認

 地球内部の「外核」という部分が均一な構造ではなく、地下4000キロ付近で状態が変わることを、東京工業大と海洋研究開発機構のチームが実験で確認した。
 この深さを境に、外核の主成分である酸化鉄の結晶構造が変わるとしている。11日付の米科学誌サイエンス(電子版)に論文が掲載される。

 地球は
 ▽地殻
 ▽深さ約2900キロまでの「マントル」
 ▽同約5150キロまでの「外核」
 ▽中心までの「内核」
--に分かれている。
 外核では、高温高圧でどろどろに溶けた酸化鉄が対流し、地磁気が生まれる。
 方位磁石の「N極」が常に北を向くのはそのためだ。

 東工大の広瀬敬教授らは、酸化鉄を地球内部同様の高温高圧状態にし、温度や圧力を変えながら結晶構造の変化を大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)で調べた。
 その結果、圧力が約240万気圧(約3700度)を上回ると、規則正しく原子が並んだ構造が崩れることが分かった。
 この気圧は深さ約4000キロ付近、外核のちょうど真ん中あたりに相当する。

 地球では約70万年に一度、N極とS極がひっくり返る「地磁気反転」という現象が起きてきた。
 今回の結果を踏まえると、2層に分かれた外核の地表側と中心側で酸化鉄が別々に対流し、両者のバランスが崩れた時に反転が起きると説明できるという





_