2011年11月22日火曜日

上海のコンビニ戦線

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 日本からダイエースタイルが消え、コンビニ形式になって久しい。
 それは大量安価時代が終わり、他店とちがっやものという意識の芽生えであった。
 十分モノを持ってしまった時、人はちょっと変わった何かを求めるようである。
 中国にもその波が押しよせようとしているようだ。
 だが、棚に並べておけば売れるといった商法では落ちていくだけ。
 いかに、人をひきつけるか、そのノウハウを常に作り続けないといけないという宿命を背負っている。
 販売戦線激烈ナリ


サーチナニュース 2011/11/21(月) 11:31
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1121&f=column_1121_010.shtml

「快餐島」のセブン―イレブンは、上海コンビニ業界の異端児か




上海コンビニエンスストアに関する調査研究2011年9月 第3回

(1)上海コンビニ業界の異端児
  激しい競争が繰り広げられる市場で、頭一つ抜け出せるのは、どのような企業だろうか。
 おそらく、顧客の潜在ニーズを的確に読み解き、新たな試みを行える企業も、そのうちのひとつだろう。
 そのような企業が生み出す商品や販売手法は、いつも業界の常識を超えている。だからよく、「異端児」と呼ばれたりする。 
 スティーブ・ジョブズが率いたアップル社も、その好例だろう。

  「異端児」という表現が正しいかどうかは分からないが、上海のコンビニ業界にも新たな試みを積極的に行っている企業がある。セブン―イレブンだ。

  上海のセブン―イレブンは、消費者のニーズに応じつつ、それまでの業界の枠にとらわれない販売戦略を果敢に実行している。
 その代表的な例が、「快餐島」だ。

  「快餐島」とは、セブン―イレブンの店内に設置された惣菜販売エリアのこと。
 「快餐島」では昼食時や夜になると、店舗内で調理された“出来立て”の麻婆豆腐やチンジャオロースなどの惣菜を販売している。
 好きな惣菜を2品ほど選ぶと、それをどんぶり型の容器に入れたご飯の上に盛ってくれる。
 見た目はちょうど、中華風どんぶりのような格好となる。
 こうした販売手法は、それまでの上海のコンビニ業界には存在しなかった。

  上海商報の報道によると、上海におけるセブン―イレブンの店舗数は2011年11月の時点で100店舗に達しているのだが、「快餐島」の売り上げはそれら全体の20%を占めるのだという。
 筆者の勤め先は上海・人民広場のオフィス街にあるのだが、そこに出店しているセブン―イレブンでは昼時になると、「快餐島」の惣菜弁当を買い求めるビジネスマンやOLさんで行列ができる。
 売行きは好調のようだ。

(2)「快餐島」はなぜヒットしたのか
  「快餐島」好調の要因として挙げられるのが「店内調理」という販売手法だ。
 「快餐島」は店舗内の厨房で調理した惣菜をそのまま店内で販売しており、その点が従来のコンビニ弁当との大きな差別ポイントとなっている。

  セブン―イレブンでも、工場で製造された弁当を販売しているが、見たところ、大多数の消費者が「快餐島」の惣菜を購入している。
 多くの消費者が惣菜を選ぶ理由としては、出来たてホカホカのものを食べたいというニーズがあるからだろう。

  実はパン業界でも数年前から「店内調理」がトレンドとなっている。
 工場で製造されたパンを店頭に並べて販売するパン屋に代わって、人気を獲得しているのが台湾系の「85度C」や「Bread Talk」といった、店舗内で焼いたパンを販売する店だ。
 上海では「店内調理」に対するニーズが強いといえそうだ。

(3)上海の消費者は「自由な選択」を求めている
  二つ目の要因として挙げられるのが、具材を自分の好みで組み合わせられること。
 この点においても、従来のコンビニ弁当と差別化が図られている。

  「自分の好みで組み合わせられる」というのは上海のトレンドのひとつだと言える。
 焼肉店や火鍋店(中国式しゃぶしゃぶ)などでも、好きなタレを自分の好みで組み合わせるのが主流となっている。
 パックされていて具材を変更出来ない弁当と異なり、自分の好きなものを選べる点も人気の理由のひとつだろう。

(4)上海の消費者はセブン-イレブンを支持しているか
  消費者のニーズに合わせ、新たな取り組みを積極的に行うセブン―イレブンに対して、上海の消費者は支持しているのだろうか。

  サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が「上海のコンビニ業界」 をテーマに、上海在住の2000人(男性1000人、女性1000人)を対象にインターネット調査を実施。
 2000人のうち、一度でもセブンイレブンに行ったことがある人は1411人。この1411人に対し、
 「セブン―イレブンにまた行きたいですか」
と聞いたところ、次の結果となった。

<セブン-イレブンにまた行きたいですか>(N=1411)
・また行きたい、実際行っている……36.8%
・まあ行きたい……55.8%
・あまり行きたくない……7.3%
・絶対行きたくない、実際行っていない……0.1%

  「また行きたい、実際行っている」と回答した人は全体で36.8%。

  年齢別に見てみると、19歳以下の層で「また行きたい、実際行っている」と回答した人は72.4%。
 同様に、20~29歳の層では38.5%、30~39歳では35.1%、40~49歳で29.9%、50歳以上では13.8%となった。
 年齢が若いほど、セブン―イレブンを支持していることが分かる。

  また、男女別に見てみると、男性のうち33.8%、女性のうち39.8%が「また行きたい、実際行っている」と回答している。

  ちなみに、あくまでも参考であるが、中国系コンビニの「好徳」について同様の質問をしたところ、次のような結果となっている。

<好徳にまた行きたいですか>(N=1750)
・また行きたい、実際行っている……23.3%
・まあ行きたい……49.7%
・あまり行きたくない……25.0%
・絶対行きたくない、実際行っていない……2.1%




サーチナニュース 2011/11/18(金) 11:54
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1118&f=column_1118_010.shtml

中国コンビニ業界に変革もたらす、変幻自在のセブン―イレブン

上海コンビニエンスストアに関する調査研究2011年9月 第2回



(1)変幻自在にニーズに対応
  2011年11月11日、セブン―イレブンの上海100号店目がオープンした。
 2009年4月に上海第1号店をオープンして以来、およそ2年半での100店舗達成となる。

【上海市民に聞く】セブン―イレブンの品揃えに満足?

  上海セブン―イレブンの最大の強みは、顧客のニーズに合わせて自らを自在に変化させる柔軟性だろう。
 出店場所や営業時間に応じて主力商品を変化させるスタイルは、「いくつもの顔を持つコンビニ」と形容できる。

  たとえば地下鉄駅内に出店している店舗では飲料や菓子類、パンなどを中心に取り扱っているが、オフィス街にあるセブン―イレブンでは、店内で惣菜を調理して、“出来たて”の弁当として販売している。
 なかには、「惣菜」販売スペースが店の半分を占める小型店もあり、その業態は上海のコンビニ業界において革新的といえる。

  さらには挽きたてコーヒー(City Cafe)も販売しており、消費者の多様なニーズに応えようとしている。

  また、時間帯によっても取り扱う商品を変化させている。
 オフィス街の或る店舗では朝専用商品として、お粥や炒麺、豆乳などを販売。
 昼には昼食用の惣菜、夜には夕食用の惣菜を販売している。

  出店場所や時間帯により客層や消費者のニーズは異なるものであるが、上海のセブン―イレブンの店内からは、顧客の多様なニーズにしっかりと対応しようとする意思を感じ取ることが出来る。

(2)2014年には上海の店舗数を300店へ
  上海商報によると、これまで上海市中心部をメインに出店していたセブン―イレブンは、今後は市の中心部以外に店舗を拡大し、2014年には上海での店舗数を300店にまで増やすのだという。
 好徳や可的などの中国系コンビニはもちろんのこと、最近はファミリーマートも中心部以外のエリアでの出店を進めているが、セブン―イレブンはそこに割って入る形となる。

  また、異なる商圏に合わせて、これまで以上に多様な店舗形態を展開するのだという。
 上海中心部のビジネス街と郊外の住宅エリアでは客層もニーズも当然異なる。
 そうした異なるニーズにどこまで対応し、どのようなビジネスモデルを新たに打ち出すのか。
 今後の同社の動向に注目したい。

(3)上海の消費者の91%が「セブン―イレブンの品揃えに満足」
  セブン―イレブンに対し、上海の消費者はどのように評価しているのだろうか。

  サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が「上海のコンビニ業界」 をテーマに、上海在住の2000人(男性1000人、女性1000人)を対象にインターネット調査を実施。2000人のうち、一度でもセブン―イレブンに行ったことがある人は1411人。
 この1411人に対し、「セブン-イレブンの品揃えに満足ですか」と聞いたところ、次の結果となった。

<セブン―イレブンの品揃えに満足ですか>(N=1411)
・非常に満足………16.3%
・まずまず満足………74.7%
・あまり満足していない………9.0%
・まったく満足していない………0%

  「非常に満足」と「まずまず満足」を合わせると、91%が「満足」しているという結果となった。
 ただし、「まずまず満足」が「非常に満足」を大きく上回っていることから、まだ改善の余地が残されていることを読み取ることが出来る。

  ちなみに、あくまでも参考であるが、中国系コンビニの「好徳」について同様の質問をしたところ、次のような結果となっている。

<好徳の品揃えに満足ですか>(N=1750)
・非常に満足………12.2%
・まずまず満足………65.3%
・あまり満足していない………21.1%
・まったく満足していない………1.4%





サーチナニュース  2011/09/08(木) 12:25
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0908&f=column_0908_014.shtml

日本のコンビニは中国市場において勝ち組か、負け組か

上海コンビニエンスストアに関する調査研究2011年9月 第1回



(1)上海コンビニ業界の勝ち組と負け組
  上海の中心部「人民広場」エリアのあるオフィスビルに、ファミリーマートが出店している。
 この店舗、昼食の時間になれば店内は人で溢れかえる。
 レジは3台あるが、ピーク時にはレジの前に20人以上が列を成し、会計を済ませるのに5分以上待つこともある。
 それほどまでにこの店舗は繁盛している。

  一方、そこから150メートル離れた場所に、他社が運営するコンビニがある。
 このコンビニもオフィスビルに囲まれていて、立地は良い。
 しかしそのコンビニは、店内が人で溢れかえることはない。
 昼食時のピーク時でも店内にいる客は5名程度。
 前述したファミリーマートとは実に対照的だ。

  このような光景は、上海では決して珍しくない。
 隣接するコンビニの一方が大繁盛し、もう一方には全く客が入らないという光景はよく目にする。
 上海のコンビニ業界では、「繁盛店」と「人気がない店」の間にはっきりとした差がつき始めている。

(2)上海の消費者、86.4%が「コンビニを使い分ける」
  上海のコンビニ業界のこうした状況は、インターネット調査の結果からも読み取ることができる。

  サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が「上海のコンビニ業界」をテーマに、上海在住の2000名(男性1000名、女性1000名)を対象にインターネット調査を実施。
 この2000名に対し、「買いたいものや利用したいサービスにより、コンビニのチェーンを使い分けていますか」と聞いたところ、次のような回答を得られた。

【上海市民に聞く】購入状況により、コンビニのチェーンを使い分けている?

<買いたいものや利用したいサービスにより、コンビニのチェーンを使い分けていますか>
・必ず使い分ける:22.1%
・ある程度使い分ける:64.3%
・あまり使い分けない:11.5%
・全く使い分けない:2.2%

  「必ず使い分ける」と回答した人は22.1%、「ある程度使い分ける」は64.3%。合わせると86.4%が「コンビニを使い分けている」という結果となった。

  いま、上海の消費者にとってコンビニは、「どこでも同じ」というものではなく、「必要性や好み、状況などによって使い分けるもの」であるようだ。

  なお、今回の調査は2011年7月7日から8月22日にかけて実施した。

(3)日本のコンビニは中国を席巻できるか
  では、なぜ上海の消費者はコンビニを使い分けているのだろうか。

  おそらくそれは、コンビニ各社がサービスの向上に努め、差別化を図り始めているからだろう。

  特に、ファミリーマートやセブン-イレブンは、変化する消費者のニーズを的確に捉え、独自商品や利便性、衛生面や接客など、諸々の要素で工夫を凝らしている。

  例をひとつ挙げると、前述した人民広場のファミリーマートでは「おでん」が売られているのだが、販売スタッフはマスクをして商品を取り扱っている。

  これは些細な事のように見えるが、食品の衛生問題が頻発する中国においては、衛生面に気を配ることは時流を捉えた措置であり、消費者の信頼を得る上で極めて重要なことであるといえる。

  こうした細かな気配りの積み重ねが、企業のブランドを作り上げていく。
 築かれたブランドは強力な差別化ポイントとなり、消費者を引き寄せる力となる。

  コンビニ業界の差別化が進み、各社のサービスが向上すれば、消費者のニーズもそれに応じて厳しくなる。
 厳しくなった消費者のニーズに応じるため、企業は更に努力を重ねるわけだが、激化する競争に追いつけない企業は消費者から選ばれなくなり、淘汰されてゆく。
 その一方で、消費者に支持されるコンビニはブランド力を強固にしていくことになる。

  ファミリーマートは中国での店舗数を2020年に8000店に増やすと発表しているが、競争力のあるファミリーマートやセブン-イレブンといった日本のコンビニが中国市場を席巻しても何ら不思議なことではない。




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