2011年11月3日木曜日

「20世紀の韓国人5人に1人は海外移住」

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2011年11月03日14時04分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

「20世紀の韓国人5人に1人は海外移住」

 20世紀の韓国人は‘ふろ敷’を担いだ存在だった。
 日本の侵略と支配のため、知らないところに徴用され、強制移住させられた。
 当時海外に移住した韓国人は全体の17-20%にのぼる。
 解放の喜びもつかの間、韓国戦争(1950-53)は南へ、北へと避難民を追い込んだ。
 20世紀後半になっても移動する生活は終わらなかった。
 留学生、海外旅行、海外就職が急増した。
 この1世紀に5人に1人は国外に移住(離散)し、3人に1人が国内で移住(離散)した。

移住と離散のプリズムで振り返る韓国史はどんな風景か。
 4日にソウル高麗(コリョ)大で開幕する第54回「全国歴史学大会」が新しい歴史的な観点を提案する。
 「国境を越えて-移住と離散の歴史」というテーマで、日帝強占期の徴用と強制移住、韓国戦争中に発生した大量難民と離散家族問題、そして最近急増している脱北者・多文化家族・外国人移住労働者などを議論する。

「人間生活の本性が定着生活の拡大ではなく、移住・離散にあるという観点で、歴史を振り返ってみようと思う」(金炅賢歴史学大会長、高麗大)
という趣旨だ。

◇世界史に類例ない移住
=初日の基調講演で、鄭在貞(チョン・ジェジョン)東北アジア歴史財団理事長は20世紀初めの「北東アジア移住津波」に注目する。
 例えば満州居住韓国人は1910年は約20万2000人だったが、1942年には約151万2000人に増えた。
 日本居住韓国人も4000人(1913年)から210万人(1945年)に急増した。
 沿海州・中央アジア・サハリンなどにも数万から数十万人の韓国人が移住した。

韓半島には日本人が入ってきた。
 1945年の解放当時、約90万人の日本人が居住していた。
 光復(解放)とともに引き上げた。
 徴用または移住した韓国人も数百万人が帰還した。
 鄭理事長は
 「約30年間にわたる北東アジアでの急速な移住は世界史的にも類例がなく、欧州列強の侵略・支配とも区別される現象」
と述べた。

◇移住労働者問題が時限爆弾に
=こうした接近は脱植民主義と関連するディアスポラ(diaspora)概念から始まった。
 ユダヤ人の歴史的な経験から始まったディアスポラは、強制的に母国を離れて暮らしながら、共同体性を維持していく移住民集団一般をいう。

共同テーマ発表でファン・ヘソン漢城大教授はこれを「ホモミグランス」(Homo Migrans、移住する人)と定義する。
 近代国民国家(nation-state)が固定された領土の上に成立した後、国境を越えた移住が混乱を招いているが、世界の地球村化は‘共生の生活’を要請するということだ。

大会組織委員長を務めるキム・ギボン京畿大教授は
 「最近のノルウェー銃乱射事件に見られるように、各社会は移住・移民者とともに生きる生活の問題にぶつかっている」
とし
 「急速に多文化社会に再編中である韓国社会にとって移住者の葛藤は時限爆弾かもしれない」
と述べた。

15関連学会が参加する今大会では、「韓国人の満州移住様相と東アジア」(シン・ジュベク、延世大)、「20世紀前半の韓人の日本移住と定着」(キム・グァンヨル、光云大)、「分断と戦争の遺産、南北離散の歴史」(キム・ボヨン、梨花女子大)、「多文化民族主義は可能か」(チョン・ヒラ、慶煕大)などが発表される。



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