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● 西海の海上風力発電施設
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/12 11:20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/12/2011111200657.html
原発2.5基に匹敵する海上風力発電施設建設へ
全羅道全体の電力量をまかなう
知識経済部(省に相当)は11日、全羅北道と全羅南道が接する扶安郡と霊光郡の沖合に、原発2.5基相当の発電容量を持つ海上風力発電施設を建設すると発表した。
韓国電力と子会社6社が共同で10兆2000億ウォン(約7000億円)を出資するという。
発電施設は2019年完成予定で、
年間6525ギガワット時の電力を生産する。
これは139万世帯、556万人が同時に使用できる電力量に相当し、全羅南北道の住民494万人が使ってもまだ余裕がある容量だ。
現在、韓国には江原道平昌郡、慶尚北道ヨンドク郡、済州道済州市翰京面に計240基の風力発電施設が稼働しており、発電量は合計394万メガワットだ。
海上風力発電も陸上での風力発電と原理はまったく同じで、風によってブレードが回転し、それによって電力を生産する。
陸地ではなく海上に発電施設を設置するのは、陸地に比べ利点が多いからだ。
まず、海上では土地の買収などの費用が必要なく、1カ所に大規模施設を設置しやすい。
また、陸上だと騒音や美観などをめぐり、周辺住民の不満や山林破壊などの問題が指摘されてきた。
さらに海には障害物がないため風力が強く、風速も陸地より速いため、発電効率は陸地に比べて1.4倍も高い。
また、陸上ではタワーやブレードの運送という制約があるため、発電容量は1基当たり3メガワットが限界だ。
しかし海上風力発電なら、造船所で全長70メートルのブレードと高さ100メートルのタワーを製造し、船で容易に運搬できるため、1基当たりの発電量は5メガワットに達する。
三方が海に囲まれた最適の条件を持つ韓国で、扶安郡と霊光郡の沖合が海上風力発電に最適とされた理由は何か。
海上風力発電のタワーを建設するには、海中に構造物を設置しなければならないため、水深が40メートル以上になると、設置に多額の費用を要し、経済効率が逆に低下する。
また風力を最大限に生かすには、発電機間の距離を600メートルから700メートルほど置かなければならない。
そのため風力発電施設を1基設置するには、最低でも1平方キロの広さが必要だ。
風が吹くと50%が発電機に吸収されるため、周辺の発電機でも最大の風力を集めるには、この程度の距離は保たなければならない。
そのため政府の計画通り500基が全て設置された場合には、汝矣島(8.4平方キロ)の60倍の広さに匹敵する500平方キロの面積が必要になる。
つまり、水深が深い東海(日本海)や島が多い南海は、大規模な海上風力発電施設の建設には適さない。
扶安郡と霊光郡の沖合は水深が10メートルから20メートルと浅く、陸地との距離も15キロほどと近いため、条件的には最適ということだ。
海上風力発電の問題点は経済性だ。
現在の技術水準では、海上に発電施設を建設するには、陸地の2.5倍に当たる1メガワット当たり43億ウォン(約3億円)の費用を要する。
扶安郡と霊光郡の沖合に5メガワットクラスの発電所を1基建設するには、215億ウォン(約15億円)が必要という計算になる。
陸上の風力発電機は5年から6年で元が取れるが、海上では20年かかる。
エネルギー技術評価院のイ・ジョンホ責任研究員は
「技術開発が進めば、メガワット当たりの設置費用は2015年には40億ウォン(約2億7400万円)、2020年には35億ウォン(約2億3900万円)にまで下がると予想されるため、経済性は十分に確保できるだろう」
と予想した。
』
これちょっとウソっぱち。
原発2.5基分が風力発電でまかえるとはとても思えない。
それも2019年に完成するという。
たった8年で、原発2.5基分の電力供給が可能な施設を造り上げるという。
もしそんなことができたら、どこの国でもやっているし、なにも原発に頼るなんてことはしなくなる。
それに「ブラックアウト」なんてみっとないことが起こるわけがない。
この冬の電力事情に赤信号なんてことも起こるはずがない。
そんなに容易く電力が得られるなら行政なんてものはいらなくなる。
こういういい加減な内容を政府が率先して流すから、国民が政府のいうことを信用しなくなる。
政府の発表することがウソなら、巷のウワサを信じたって五十歩百歩となる。
どうも韓国政府の発表は昔の日本の大本営発表と同じようである。
「信用に値しない」と考えたほうがいい。
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記事入力 : 2011/11/20 09:02
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/20/2011112000112.html
【萬物相】電力危機を回避するには
1994年7月、大邱地方で最高気温が平均36度を超えたのをはじめ、韓国全土が猛暑に見舞われた。
このため、電力消費量が爆発的に増え、予備電力は2.8%まで減少した。
大規模な停電を避けるため、各企業が操業時間の短縮や集団休暇などを実施し、全国が騒然となった。
絶え間なく電力を生産し続けて過熱状態になった発電機のタービンを冷やすため、発電所の職員たちが消防用のホースで水をかけた。
こうした取り組みにより、送電制限を行うことなく、大規模停電の危機は回避された。
今年は当時よりも電力事情が悪化した。
9月には突然の輪番停電によって全国が大混乱に陥った。
予備電力が24万キロワットまで減少し、全国の電力供給が全てストップする可能性もあった。さ
らに今冬も、十分な電力供給を行う余裕はないとみられる。
来年1月には予備電力が1%を下回り、再び大規模停電が起こる恐れがある。
2009年現在、韓国の1人当たりの電力消費量は1時間当たり8833キロワットで、
日本(同7818キロワット)、
イギリス(同5607キロワット)、
フランス(7512キロワット)
といった先進国に比べはるかに多い。
電力消費量の増加率も、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高い。
その最大の原因は、韓国の産業で、化学・石油精製・自動車・鉄鋼・電子機器といった、多くの電力を必要とする業種が占める比率が高いためだ。
電力消費量全体に占める産業用電力の比率は55%を超える。
電気料金が先進国の半分程度にすぎないことも、過度の電力消費に拍車を掛けている。
今年9月15日に大規模停電が起こった後、その翌日には電力消費量が再び増加した。
政府が「物価の上昇を抑制すべき」という理由で、
電気料金を原価の90%程度
に抑え続けた結果だ。
ここ数年は、石油やガスを利用した暖房器具に代わり、電気温風機などの電熱器具の普及が急速に進んだため、夏よりも冬の電力消費量が多くなっているが、これも電気料金が安いためだ。
政府は大企業の電力消費量を10%減らすよう義務付けるなど、今冬の電力危機を回避するための対策を打ち出した。
目の前に迫った電力をめぐる混乱を避けるためには、こうした節電キャンペーンを行うしかない。
しかし、電力を安値で供給し続けながら、電力需要を抑制するという政策が、どれだけ有効なのか疑問だ。
電気料金を段階的に引き上げることにより、エネルギーを大量に消費する産業構造を変えるという根本的な対策を打ち出す必要がある。
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電気料金を安く設定することで産業を起こし発展させる、というのは懸命な政策であろう。
要は、それが無駄遣いにならないようなシステムを持っているかどうかであろう。
それがないと、安いからどんどん使ってしまえということで、電気の濫費となる。
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2011年11月28日18時04分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/971/145971.html?servcode=100§code=110
【社説】電気料金の現実化がブラックアウトを防ぐ
冬季の ‘電力大乱’ が目の前の現実に迫っている。
輸出好調で全体電力販売量の6割を占める産業用電力の消費が前年比で9%以上増えている。
さらに気象庁はこの冬にも北極の冷たい空気が中緯度地域まで下りてくる異常寒波の可能性を警告した。
1年前の冬は歴代最も長い39日間も寒波注意報が出され、暖房用の電力消費が急増した。
こうした流れが変わらなければ、この冬に大規模停電(ブラックアウト)を避ける方法がない。
無制限送電が始まった1960年代半ば以降、初めて電力需給が危機を迎えたのだ。
電力不足の解消は、現在建設中の発電所がいくつか完工する2014年まで待たなければならない。
いままで政府と韓国電力は経済成長予測モデルに基づき、長期的な次元で発電設備を拡充してきた。
しかし非正常的に安い電気料金のため、予想できない過剰需要が発生したのが問題だ。
産業現場では安い電気を浪費し、全国的に油ボイラーを取り払って電気暖房が増えた。
今後、私たちは現在の発電設備で3度の冬と2度の夏を乗り越えなければならない。
最近、韓電の役員会が10%台の電気料金引き上げ案を単独議決したのは避けられない選択だ。
政府は物価負担のため難色を示したが、これ以上は先送りできない問題だ。
電力大乱を防ぐには、
1.長期的には原発の増設、
2.中期的にはスマートグリッド普及、
3.短期的には灯油で電気暖房の代わり
するのが最善策だ。
製油会社の輸出用油から急いで内需用として確保しなければならない。
何よりも急がれるのは電気料金の引き上げだ。
電力大乱は数人の責任者を犠牲にし、全国民の肌着着用運動で解決するものではない。
真冬のブラックアウト、循環停電さえもぞっとする災難だ。
養殖場の魚が死んで、ビニールハウスの農作物に冷害が発生する。
暖房を使えない庶民は寒さに震え、急病患者の手術が中断され、尊い生命を奪うおそれもある。
こうした悲劇を防ぐには、少なくとも3年間は強力な予防策が必要だ。
短期間に電力供給を増やせないだけに、需要を減らすのが唯一の解決法となる。
最も根本的な需要の縮小は市場原理の導入だ。
まずコスト以下の産業用電力料金から上げて、時間帯別に需要と供給を反映するよう料金体系も改めなければならないだろう。
今は他人のせいにする時ではない。
「すでに電気暖房に変えた庶民が電気料金の引き上げで被害を受ける」
などと口論する余裕はない。
政府と韓電が率先して国民に電気料金引き上げの不可避性を説得しなければならない。
電気は非常に贅沢なエネルギーだ。
灯油を利用した直接暖房の効率は電力生産効率の3倍を超える。
にもかかわらず、私たちはずと電気料金の現実化に背を向けて、エネルギー源別価格を歪曲させ、結果的に電力大乱危機を自ら招いた。
今からでも一日も早くこれを改めて、冬季電力大乱を防止しなければならない。
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そうかな。
今は「じっとガマン」の時期ではないだろうか。
おそらくこれから韓国も日本とおなじように
「我慢、がまん、ガマンの時代」
へ入っていく。
がまんできなければ破綻するしかない。
日本の場合、東日本大震災という試練キッカケがあったので、
「我慢にむけての対応」
が、動きはじめている。
韓国にはそういう不幸がない。
わがままな社会が出来上がってしまっているが、そこから「苦痛を味わえ」といってもやはり無理だろうか。
試練が必要なのであろうか。
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2011年12月09日11時28分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/314/146314.html?servcode=100§code=110
【社説】大規模停電がなぜこんなに多いのか
6日に蔚山(ウルサン)石油化学工業団地で起きた停電により1000億ウォン程度の被害を受けたと推定される。
正常に再稼働するだけで1週間程度かかるという。
「とてもじゃないが不安で工場を運営することはできない」
という企業の不満に共感できる理由だ。
特に今年は予告のない停電がとても多かった。
大規模停電だけで3度目だ。
1月には麗水(ヨス)産業団地の停電で600億ウォンの被害を受けた。
9月15日の大規模停電はまだ記憶が鮮明な大災害だ。
担当部署の長官・次官が一度に更迭された。
そしてわずか後に今回の停電が起きたており、韓国電力は口がいくつあっても話す言葉はなくなった。
9月15日の停電時だけでも報告体系の不備と緊急対応の問題などがあったが、根本原因は安い電気料金による電力需要の急増だった。
電力政策に相当な責任がある停電事故だった。
だが、今回は変電所の線路遮断機故障のためだった。
送変電の投資不足と整備のずさんさに、韓国電力が100%責任を負わなければならない事故だ。
それも政府が電力料金を4.5%引き上げした次の日に起きた。
1980年代以後停電はほとんどなかった。
特に大規模停電は極めて例外的だったほど電力事情は良かった。だが、今年はそうではない。
停電で被害を受けた企業・住宅・商店街は実に678万カ所という。
3カ所に1カ所が不意の停電で被害を受けた。
その上2008年の44万カ所、2010年の48万カ所と比較すると10倍を超える。
韓国電力など電力当局がしなければならないことは良質の電気を安い値段で安定的に供給することだ。
今年のように停電が多いならば韓国電力が存在する理由はないという話だ。
いまからでも韓国電力と政府は停電の原因と今後の対策を精密に検討するよう願う。
理由は多いだろう。
原価に満たない電力料金であることもあり、無理な経費節減追求で韓国電力が維持・保守を正しくすることが出来ないためでもある。
長く累積してきた独占企業としての放漫な経営も主要原因かもしれない。
どんなことでも今年のように停電が多くてはならないので根本的な改善策が必要だ。
そうでなくてもブラックアウト(全国的な大規模停電)が心配になる今年の冬なのに韓国電力がこのように信じられないとは。
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