2011年11月4日金曜日

経済大国から宇宙大国に発展する中国のパワー

_

● 朝鮮日報から




朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/04 11:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/04/2011110400960.html

【社説】経済大国から宇宙大国に発展する中国のパワー

 中国は今月3日に無人宇宙ロケットの「神舟8号」を打ち上げ、遠隔操作によって今年9月に打ち上げた実験用宇宙ステーション「天宮1号」とのドッキングに初めて成功した。
 この結果中国は、米国とロシアに続き独自技術で宇宙ドッキングに成功した3番目の国になった。
 中国は今回のドッキング実験により、地上343キロ上空で宇宙船を誤差18センチの範囲内で操縦できる高度な制御技術を披露し、経済大国としてのパワーを活用して宇宙大国に浮上したことを世界に示した。

 中国は2003年に初の有人宇宙ロケットを打ち上げ、08年には宇宙遊泳に成功し、07年と10年には月探査衛星の打ち上げにも相次いで成功している。
 この結果、米国やロシアとの技術格差も急激に小さくなった。 
 米国が財政問題で月探査計画を保留し、宇宙を行き来する次世代スペース・シャトル・プロジェクトを中断するなど、先進各国は宇宙開発計画で足踏み状態にあるため、中国の独走はしばらく続きそうだ。

 中国は今後も数回宇宙ステーション関連の実験を行った上で、16年からは本格的に宇宙ステーションの建設を開始し、20年に完成させる計画を進めている。
 この結果、米国、ロシア、欧州、日本が参加している現在の国際宇宙ステーション事業が20年に終了すると、中国は宇宙に常駐する唯一の国となりそうだ。
 中国は軍が中心となって宇宙開発プロジェクト計画を進めているため、宇宙に拡大する中国の力は、そう遠くない未来に軍事面、あるいは国際政治面でのパワーバランスに大きな影響を及ぼすことだろう。

 中国が宇宙開発で成果を出すのを目の当たりにすると、これまで10年にわたり進歩が見られない韓国の宇宙開発の現状が一層残念でならない。
 韓国は宇宙ロケットの土台となる第1段ロケットをロシアから購入して羅老号プロジェクトを進める一方、韓国独自のロケット開発も並行して行うという計画を立ててはいるが、この計画は10年近くも中断したままだ。
 政府は21年までに韓国独自の宇宙ロケットを国内の技術で開発するという計画も打ち出したが、政府の意志も国民の関心も不十分なため、韓国の宇宙開発は今後も不透明な状況が続くだろう。
 韓国も今後は先進各国と宇宙開発分野で協力し、部品の共同開発を進めるなど、この分野での発想の転換が必要な時を迎えているのではないだろうか。




記事入力 : 2011/11/04 11:03
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/04/2011110400958.html

中国、宇宙ステーション建設に弾み
ドッキングに初成功

 中国は3日午前1時36分(韓国時間同2時36分)、無人実験機「天宮1号」と無人宇宙船「神舟8号」によるドッキングに成功した。 
 中国が初のドッキングに成功した歴史的瞬間だった。
 これにより、中国は米国、ロシアに続き、独自の宇宙ドッキング技術を確保し、宇宙大国への道を開いた。
 2020年までに地球軌道上に独自の中型宇宙ステーションを建設するという中国の計画にも弾みが付きそうだ。

 宇宙ドッキングは、宇宙ステーションの建設だけでなく、宇宙飛行士向けの補給などに必須の技術だ。 
 しかし、弾丸の10倍の秒速8キロという速度で移動する二つの飛行体が宇宙空間でドッキングするには、高度で精密な宇宙船制御技術が求められる。
 今月1日に天宮1号とのドッキングに向け、甘粛省の酒泉衛星発射センターから打ち上げられた神舟8号は、2日間に5回の軌道修正を経て、2日夜午後11時に天宮1号から52キロの位置に接近した。
 引き続き、自動航法システムに転換した神舟8号は、5キロ、400メートル、140メートル、30メートルと距離を縮め、3日午前1時27分ごろ、上空343キロの軌道上で天宮1号のドッキング装置に接続した。
 約9分間で飛行姿勢を一致させ、ドッキング装置をロックし、作業が完了した。
 ドッキングは中国西部の甘粛、陝西省上空で行われた。

 中国の最高指導部に当たる政治局常務委員は、外遊中の胡錦濤国家主席、賈慶林・全国政治協商会議主席を除く7人が北京の宇宙管制センターでドッキング過程を心配そうに見守った。
 ドッキング成功直後には胡主席名義で祝賀メッセージが発表された。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/04 11:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/04/2011110400952.html

米国脅かす中国の宇宙技術
「有人宇宙船は米ロ並みのレベル

 中国は3日未明、無人実験機「天宮1号」と無人宇宙船「神舟8号」のドッキングに成功した。
 米国とロシアが運営する宇宙ステーションが2020年に退役すれば、宇宙には中国の宇宙ステーションだけが残る。
 ロシアが国家主導による宇宙開発から商業化へとかじを切る中、宇宙開発競争は米中の2強体制か、場合によっては中国が独走する可能性も出てきた。
 専門家は
 「エンジンなど重要技術はまだ米国の1960年代の水準だが、有人宇宙船に続いて、ドッキングにまで成功し、今後は米国を脅かす宇宙大国に浮上するはずだ」
と評価した。

■ドッキング成功、技術水準の高さ

 米航空宇宙局(NASA)の専門家は、2007年に中国が初の月探査船打ち上げに成功した際
 「10年以内に中国がロシアや欧州の宇宙開発水準を追い越す可能性が高い
と述べた。
 宇宙でのドッキングにまで成功し、米国にも追い付く勢いだ。
 自国技術で有人宇宙船の打ち上げと宇宙ドッキングに成功した国は米国、ロシア、中国しかない。

 航空大航空宇宙機械工学部の張泳根(チャン・ヨングン)教授は
 「宇宙技術のうち、二つの宇宙船を同じ速度で接近させるランデブーとミリ単位の誤差で正確に船体を連結するドッキングが最も難しい。
 中国の宇宙飛行士を宇宙ステーションに送る道が開かれた」
と指摘した。

 KAIST(韓国科学技術院)のイ・イン教授(航空宇宙工学)は
 「中国はロケット分野で米国、ロシア、欧州、日本と共に5強を成している。
 超精密制御技術が不足していたが、ドッキング成功によって解決された」
と述べた。

 ただし、中国が計画している宇宙ステーションは、米国主導の国際宇宙ステーションのレベルには及ばない。
 現在国際宇宙ステーションの重量は約400トンだが、中国が建造する宇宙ステーションは60トン規模で、1986年から2000年まで運用されたロシアのミール(80トン)程度の水準だという。
 しかし、専門家は今後、中国が唯一の宇宙ステーション運用国として経験を積めば、短い期間に宇宙ステーション分野でも最高レベルに到達するとみている。

ロケットの成功率は世界最高

 中国は1970年代に旧ソ連の支援を受け、中距離弾道ミサイルを改良し、長征ロケットを開発した。
 韓国航空宇宙研究院の趙光来(チョ・グァンレ)ロケット研究本部長は
 「中国のロケットは軍事用ミサイル燃料を使っており、エンジンの推力が米国のスペースシャトルや、日本のHIIロケットの88%にとどまっている。
 エンジン技術だけを見れば、米国の60年代の水準だ」
と説明した。

 パク・テハク韓国型ロケット開発事業団長も
 「素材など基礎宇宙技術も米国にかなり遅れている」
と述べた。

 しかし、ロケットの打ち上げ成功率は世界最高を誇る。
 1957年から2009年までの通算では88.64%で、ロシア、欧州、米国に劣る。
 しかし、2000年代以降の長征ロケットの打ち上げ成功率は100%だ。
 06年以降、地球観測衛星11基を打ち上げ、衛星打ち上げ数でも米国を上回った。
 中国は推力の限界を克服するため、米デルタ4ロケットに次いで重い搭載能力を持つ「長征5、6号ロケット」を開発している。

■独自のGPS、月探査

 中国は35基の衛星で構成する独自の衛星利用測位システム(GPS)の「北斗プロジェクト」を推進している。
 2007年には退役した気象衛星をミサイルで破壊することにも成功した。
 米政府は2020年までに中国が衛星で敵国の衛星を攻撃するシステムを構築するとみている。

 中国はまた、既に月探査船の打ち上げに2回成功した。
 17年には探査ロボットを月に送り、その後は有人月面探査や月面基地建設も計画している。
 米国は最近、有人月面探査計画を予算上の問題で中止した。

 張教授は
 「中国は有人宇宙船技術とロケットを確保しており、有人月面探査は十分に可能だ」
と述べた。
 趙本部長も
 「現在の中国のロケットでも月や火星への探査船を打ち上げる能力は十分にある」
と指摘した。




asahi.com 2011年11月4日14時56分
http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY201111040275.html

宇宙船「神舟8号」、設備600台あまりが独自開発

 中国有人宇宙飛行プロジェクトの武平報道官は、国務院新聞弁公室が3日午前に行った記者会見において、ドッキング目標機「天宮1号」と宇宙船「神舟8号」のドッキング状況について説明した。
 人民日報が4日に伝えた。

 武報道官によると、神舟8号と天宮1号は3日午前1時36分、高度343キロメートルの軌道上でドッキングに成功した。
 結合体はすでに地球を約6周しており、設備は正常で、各テストも順調に行われている。
 神舟8号は11月17日夜に地球に帰還する予定となっている。

 今回のドッキングの成功は、同任務が重要な段階的成果をおさめたことを意味し、任務の全面的な完了に向け、基礎を固めた。

 武報道官によると、ドッキングの中核となるドッキング機構は相当複雑な構造で、
 数百のセンサー、1千余りの歯車、数万の部品から構成される。
 中国は1990年代中頃からドッキング機構の研究を始め、10年あまりの努力を通じ、ドッキング機構の設計、生産、試験体系を打ち立てた。
 一連のキーテクノロジーで飛躍を果たし、地上でのテスト回数は1千回あまりに上った。

 昨年10月、中国初のドッキング機構フライトモデルが完成、現在は神舟8号と天宮1号にそれぞれ設置されている。
 これにより中国はドッキング機構を独自に開発・生産できる国の1つとなった。

 武報道官によると、開発任務を行う企業のほとんどは国有企業であり、民営企業も一部存在するという。
 中国のドッキング機構の部品は中国が独自開発・生産したもので、神舟8号の設備600台あまりも全て中国が独自開発したものだ。






_