2011年10月18日火曜日

立ち枯れていくサムスン

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● ティム・クック・アップル最高経営責任者(左)と李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子社長


 世界から路を塞がれてしまったサムスンの残された手は訴訟するしかないのであろうか。
 アップルは立ち枯れていくサムスンを横目で眺めていればいい。
 勝ち目はなくとも、こうなったら戦うしかない、というのが今のサムスンの立場のようだ。
 もう少しうまく立ち回れなかったのだろうかサムスンは。

朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/18 08:05

特許紛争:サムスン電子が大反撃
日豪でiPhone4Sの販売差し止め申請
 サムスン電子は17日、米アップルの新型スマートフォン「iPhone4S」に特許を侵害されたとして、同機種の販売差し止めを求める仮処分申請を東京地裁とオーストラリア・ニューサウスウェールズ州の裁判所で行った。
 日本では同時に既存機種の「iPhone4」、タブレット型パソコンの「iPad2」についても、販売差し止めを求めた。
 サムスン電子は今月5日、フランスとイタリアの裁判所でも同様の申し立てを行っており、今後さらに多くの国で争う構えだ。

 サムスン電子がオーストラリアで行った仮処分申請は、アップルがWCDMA技術、高速パケット通信規格HSPAなど第3世代(3G)の移動通信規格に関するサムスンの特許3件を侵害したとする内容。
 東京地裁への仮処分申請では、通信規格に関する特許のほか、スマートフォンのユーザーインターフェースに関する特許も対象に含めた。

 今回の仮処分申請は、アップルがデザインやユーザーインターフェースに関し、
 サムスンを圧迫してきたことに対する反撃だ。
 例えば、サムスンはスマートフォンの通信機能をオフにする際に表示される飛行機型のアイコンのデザインをアップルが侵害したと主張した。

 サムスン電子はまた、オーストラリアの裁判所が13日に同社のタブレット型パソコン「ギャラクシータブ10.1」に対して下した販売差し止めの仮処分決定に異議を申し立てた。

 サムスンは17日、李在鎔(イ・ジェヨン)社長が米国でアップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏の追悼式に出席する一方、特許紛争では反撃に転じた格好だ。
 両社の特許紛争は、和解に向かうとの観測とは裏腹にエスカレートしている。
 サムスン関係者は
 「追悼と訴訟は別問題だ。
 既に明らかにした原則に従い、特許紛争で争っていく」
と述べた。


 どんどん暗くなっていく。

2011年10月18日11時06分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

「ジョブズ追悼」終えた
アンドロイドの反撃…「ギャラクシーNexus」あす公開

アップル創業者スティーブ・ジョブズ氏に対する追悼が終わるやいなや、アンドロイド陣営が大々的な攻勢に乗り出した。
 サムスン電子とグーグルは共同開発した次世代スマートフォン「ギャラクシーNexus」を19日に香港で公開する。
 またサムスン電子は17日、日本とオーストラリアでiPhone4Sに対する販売差し止め仮処分申請を追加で出した。

当初、サムスンとグーグルは11日、米サンディエゴでギャラクシーNexusを公開する計画だった。
 しかしスティーブ・ジョブズ氏の死去で哀悼ムードが続き、新作の公開を延期した。
 苦心の末に両社が選んだ場所は香港。
 ちょうどここではグローバル情報技術(IT)企業の最高経営責任者(CEO)が集まる「アジアDコンファレンス」が開催される。
 サムスンとグーグルはアップルのiPhone4Sに対抗する強力な競争製品ギャラクシーNexusを公開するのに適していると判断した。

ギャラクシーNexusはグーグルが出す3つ目のリファレンスフォン。
 リファレンスフォンとは、モバイル基本ソフト(OS)の新バージョンが登場する度にこれを真っ先に搭載して出すスマートフォンで、後続製品の標準役割をする。
 ギャラクシーNexusはグーグルのOSのアンドロイド4.0最新バージョン(別名「アイスクリームサンドイッチ」)を初めて搭載した。

まだ正確な製品仕様は公開されていないが、4.65インチHD(高画質)級スーパーアモレッド(AMOLED)ディスプレーを流線型にデザインしたという。
 モバイルニュース専門メディアBGRによると、厚さは9ミリで、iPhone4S(9.3ミリ)より薄く、モバイル決済システム「グーグルウォレット」を適用したとみられる。

ギャラクシーNexusの開発コード名は「Nexusプライム」だった。
 グーグルは製品の発表を控え、サムスン電子のスマートフォンブランド「ギャラクシー」を入れた製品名を確定した。
 ギャラクシーのブランドパワーが強まっているからだ。
 サムスン電子によると、「ギャラクシーS」と「ギャラクシーS2」の世界累積販売台数は最近3000万台を超えた。

サムスンは特許訴訟戦でもアップルに対する攻勢を緩めなかった。
 5日にはフランスとイタリアで、今回は日本と豪州で仮処分申請を出した。
特に、これまで3G(第3世代)無線通信標準に関する特許でアップルに圧力を加えたが、仮処分申請では初めてスマートフォンのユーザー・インターフェース(UI)と関連した機能特許を含めた。
 日本の裁判所で
▽.飛行モードアイコン表示特許
▽.ホームスクリーン空間を飾る機能特許
▽.アプリストアカテゴリー別ツリー構造表示特許
--など機能特許3件の侵害を主張した。


2011年10月17日08時46分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

ジョブズ追悼式にサムスン社長が招請される…訴訟戦の転機なるか

 李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子社長(44)が米国で行われるスティーブ・ジョブズ・アップル創業者の追悼式に招請された。
 特許訴訟による両社の葛藤がピークに達している状況で、ティム・クック・アップル最高経営責任者(CEO)が李社長を招いたのだ。
 これを機に全面戦争様相に向かっている訴訟戦に新たな転機が生じるかどうかが注目される。
 今回の対面は少なくとも、激しい訴訟戦にもかかわらず部品産業を媒介とする両社間の協力関係は変わらないことを対内外的に誇示する契機になりそうだ。

15日付ウォールストリートジャーナル(WSJ)など海外メディアによると、李社長は現地時間の16日晩(日本時間17日)、カリフォルニア州スタンフォード大で開催されるジョブズの非公開追悼式に出席する。
 この日の追悼式にはジョブズと親しかった知人とシリコンバレーの有名人だけが招請されたという。

李社長は生前、ジョブズと何度か会った。
 しかし太平洋を渡って追悼式への出席を要請するほど個人的に深い関係とはいいにくい。
 にもかかわらずクックCEOが李社長を招請し、李社長も快く応じたことに対し、さまざまな解釈が出ている。
 ひとまずアップルもますます激しくなる訴訟戦に少なからず負担を感じているという分析だ。

サムスンの関係者は
 「今回の訴訟戦自体は、サムスンのロイヤルティー要求に負担を感じたアップルが反撃レベルで始めたものだ」
と主張した。
 iPhone・iPadが使用したサムスンの第3世代(3G)移動通信標準特許に対してサムスンが使用料を要求し、アップルがその金額を低めようと訴訟というカードを取り出したという説明だ。

このため訴訟が長期化すればアップルにも有利な点はないという。
 サムスンがiPhone・iPad販売禁止仮処分申請を棄却したオランダ裁判所の14日の判決に対しても
 「事実上、サムスンの勝利」
と主張する背景だ。
 ハーグ裁判所は判決の但書条項で、アップルがサムスンにロイヤルティーを支払うべきだと明示した。

実際、中央日報が国内の有名特許法人を通して単独入手した資料によると、サムスンの特許はスマート機器なら避けるのが難しい。
 サムスンが保有する「無線送信効率化技術」の場合、移動通信システムでデータを効率的に送るために必要な技術だ。
 「端末機送信電力効率化技術」も限られた電力を必要な順に配置するのに欠かせない技術。

一方、アップルはユーザー インターフェイス(UI)やデザイン関連の一般特許を主に使用する。
 自動でウィンドウを閉じる機能やリストスクローリングだ。
 アップルの特許がよく「機能特許」と呼ばれる理由だ。
 サムスン電子IP(知的財産権)センターの関係者は
 「アップルの特許は最悪の場合、抜いてしまえばそれまでだが、必須特許は避けることはできない」
と自信を表した。

問題はサムスンの強みである標準特許がアップル製品の販売禁止決定を引き出すのに威力を発揮できなかった点。
 これを受け、サムスンもUIなど、その他の分野の特許のうち新しい攻撃武器を見つけるための作業を本格化した。
 とはいえ両社が結局は和解の道を見いだす、というのが専門家らの一般的な見解だ。
 両社はスマート機器市場のライバルであると同時にお互い最も大きな取引先だ。

 これがラストチャンスになるかもしれない。


 高機能携帯電話(スマートフォン)などの特許を巡る米アップルと韓国サムスン電子の法廷闘争が激化している。
 サムスンは17日、アップルの新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)4S」の販売差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。
 両社の係争国は10か国に及ぶ。
 スマートフォンの両雄の争いは半導体や部材など日本メーカーにも影響を与えそうだ。

■泥沼化

 サムスンは日本では、携帯電話の画面表示など4件の特許をアップルに侵害されたと主張している。
 4Sだけでなく、アイフォーン4、多機能携帯端末「iPad(アイパッド)2」の販売差し止めも求めている。

 法廷闘争を最初に仕掛けたのはアップルだ。
 今年4月、サムスンのスマートフォン「ギャラクシー」がアイフォーンのデザインや操作方法に酷似しているとして、米国で提訴した。
 アップルはその後も、タブレット型端末を含め次々に販売停止を求める訴訟を起こし、ドイツや豪州の裁判所はアップルの主張を一部認めてサムスン製品の販売差し止めの仮処分を行った。

 サムスンも、収益の柱に育ったスマートフォン事業を守るため反撃に出ており、係争が世界中に拡大している。
 サムスンの新製品を含む年末商戦向けモデルを18日に発表したNTTドコモの山田隆持社長は「サムスンから供給に支障はないと聞いている」と述べたが、訴訟の行方によっては影響が出る可能性は残る。

■競争激化で

 過熱する争いの背景には、スマートフォン市場の競争激化がある。
 米IDCによると、今年4~6月期の世界出荷台数シェア(占有率)はアップルが19・1%で首位となったが、2位のサムスンは16・2%と、前年同期から約3倍もシェアを伸ばして肉薄した。

 野村証券(韓国)の鄭昌■(チョンチャンウォン)氏は今回の法廷闘争を「アップルと米グーグルの戦い」とみる。
 アップルは、グーグルのスマートフォン用基本ソフト「アンドロイド」を搭載するサムスンをたたいて、アンドロイド陣営の勢いをそぐ狙いがあるとみられるからだ。

 アップルはサムスンに発注していた半導体や部材を日本・台湾勢に振り替えていくとみられている。
 日本側には「追い風になる」(半導体メーカー幹部)と期待も広がるが、サムスンは余剰となった設備で生産を増やし、安値攻勢をかけるとの見方もあり、競争の行方は見通せない。(■=さんずいに元)





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