● 朝鮮日報より
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2011年10月20日09時16分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/788/144788.html?servcode=300§code=330
「サムスンの特許力弱くない…最後まで対応」
サムスン電子無線事業部の申宗均(シン・ジョンギュン)社長がアップルとの訴訟戦争で勝利するためにすべての力を結集し総力戦を展開すると明らかにした。
18日に香港で開かれた記者懇談会でのことだ。
申社長はグーグルと共同開発したスマートフォンの新製品「ギャラクシー・ネクサス」を発表するために香港を訪れた。この日の申社長の発言はいつになく直接的で強度が高かった。
「アップルとの特許訴訟でわれわれが得たものはなく、
失ったものは(サムスン電子)ブランドの自尊心だ。
今後対応範囲を広げ程度を高める」。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズの死去後一部で提起された
アップルとサムスンの和解説を明らかな語調で一蹴した
のだ。
申社長はまた、
「サムスン電子は特許力の弱い会社ではない。
われわれが持つ通信特許だけでなく、マルチメディアなど持っているすべての特許で対応する」
と明らかにした。
申社長は水面下での妥協の可能性も否定した。
「特許訴訟はアップルを交渉テーブルに引き出すためのものではない」。
申社長は特に特許戦争が長引くだろうと予測した。
それとともに、「ある意味これからが始まりではないかと思う」とまで話した。
アップルはサムスンのスマートフォンとタブレットPCの一部製品がドイツ、オランダ、オーストラリアで販売を禁止する裁判所の決定を勝ち取った。
これに対抗して最近サムスン電子は「iPhone4S」が公開されるとすぐにフランスとイタリアで「サムスンの特許を侵害した」として販売禁止仮処分申請を出した状態だ。
これまで進められてきた特許訴訟でアップルが4回勝ち、サムスンは一度も勝つことができない敗因に対しては法務分野の不十分さと解釈した。
申社長は、
「技術力やビジネス能力だけでできるのではなく、法も重要だと考えることになった。
特に法律的な対応、特許に対する準備をより一層徹底するために最近法務チームを補強した」
と付け加えた。
こうした中で米国から朗報が伝わった。
米サンノゼの裁判所が18日、サムスン電子を相手取りアップルが出した販売禁止仮処分申請のうち、
「公正な条件でサムスン電子の特許を使おうとするアップルの意図をサムスンがねじ曲げた」
というアップルの主張を棄却した。
また、サムスン電子が反独占条項に反しているというアップルの主張の一部を棄却してほしいというサムスン電子側の要請を受け入れた。
9カ国30件余りの法廷紛争のうち初めてサムスン電子に有利な裁判所の判断が出されたのだ。
標準特許権者は公正な条件で特許使用を認めなければならないという条項を挙げサムスン電子が申請したアップル製品販売禁止を棄却したオランダ裁判所の判断と反対になるもので、サムスン電子が勝機を確保したという見方が出てきている。
偶然にもこの日第3四半期業績を発表したアップルは予想より振るわない業績を出した。
9月24日で終わった第3四半期の純益が66億2000万ドルを記録、昨年第3四半期の43億1000万ドルに比べ54%増えたと発表した。
だが、ニューヨーク証券市場では株価が7%以上下がった。
証券業界ではアップルが2000万台の「iPhone」を販売したと予想したが、1707万台販売にとどまったと発表したのだ。
申社長はこれと関連し、
「われわれは第3四半期にスマートフォンを2000万台以上販売したと理解する」
と話し、事実上サムスン電子が第3四半期にアップルを押さえ世界のスマートフォン市場で1位になったことを明確にした。
一方、申社長は19日に香港コンベンションセンターで、グーグルのアンディ・ルービン首席副社長とともにグーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド」の最新4.0バージョン「アイスクリームサンドイッチ」を適用した「ギャラクシー・ネクサス」を公開した。
アップルの新製品「iPhone4S」と激しい競争を行う対抗馬だ。
ルービン副社長は、
「アイスクリームサンドイッチはスマートフォンとタブレットPCともに作動する革新的なプラットフォームだ」
と絶賛した。
この日のイベント会場はサムスン電子とグーグル関係者、内外信記者たちと協力会社関係者ら500人余りで埋めつくされた。
約1時間もわたり行われた新製品プレゼンテーションでは2度の拍手が溢れた。
スマートフォンを当てれば情報が交換できる「アンドロイドビーム」と内蔵カメラの「パノラマ撮影機能」が好評を受けた。
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アップルによって特許戦争のどろ沼に引きずり込まれた、というよりサムスンが好んでどろ沼に足を突っ込んでいっている、そんな風にみえるのだが。
果たして、サムスンには長期化に耐えられるだけの精神力と体力があるだろうか。
アップルはここぞとばかりに訴訟を長引かせて、徐々にサムスンを衰弱させる手をとるかもしれない。
アメリカ企業にとって訴訟というのは販売手段だということだ。
あいてを弱らせる手法だということだ。
訴訟社会のアメリカにとって当たり前なことでも、果たして韓国社会ではどうだろう。
サムスンは持ちこたえられるか。
でも、下手だね、サムスンは。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/20 07:49
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/20/2011102000424.html
特許紛争:サムスンが苦肉の策、ユーザーの反発も
韓国でもiPhone4S販売差し止め申請検討
サムスン電子が韓国でも米アップルの新型スマートフォン「iPhone4S」の販売差し止めを求める仮処分申請を検討しているのは、アップルの攻勢にこれ以上押されまいとする苦肉の策だ。
しかし、米国の次にiPhone愛好者の層が厚いとされる韓国で、販売差し止めを申し立てることは、サムスンにとって「もろ刃の剣」でもある。
サムスンは既にドイツ、オランダ、オーストラリアなどでアップルとの特許紛争序盤戦に敗れている。
本丸韓国で仮処分申請は、形勢不利な状況から起死回生の一撃を狙ったものだ。
サムスンは各国のiPhone4Sの発売時期を見極めながら、販売禁止の仮処分申請を行っている。
これまでに申請を行ったフランス、イタリア、日本は、今月14日にアップルがiPhone4Sを発売した国々だ。
サムスン幹部は
「国ごとに最も有利な判決が出る可能性がある特許を選び、提訴している」
と説明した。
フランス、イタリアでは通信関連の特許で、日本ではスマートフォンの使用法に関する特許でそれぞれ販売差し止めの仮処分を申請した。
サムスンが韓国では販売差し止めを申し立てないとする当初の方針を変更したのは、アップルの攻勢による被害が当初の予想を上回ったためとみられる。
同社の申宗均(シン・ジョンギュン)社長(携帯電話部門担当)は
「アップルはサムスンの(半導体)部品の主要顧客に当たるため、守りの姿勢で対応してきたが、ドイツとオーストラリアでやられた以上、立場を変えるほかなかった」
と説明した。
申社長の発言は、両国でサムスンの「ギャラクシータブ10.1」の販売差し止めを求めるアップルの主張が認められたことを指している。
また、アップルの攻勢に消極的に対応し続けた結果、サムスン内部でエンジニアの士気が低下しているとの判断も働いたもようだ。
申社長は
「ドイツの家電見本市に出展しながら、仮処分申請のせいでギャラクシータブの展示すらできずに撤収した。
対処しないままでは、サムスンの士気にかかわりかねない」
と語った。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/20 07:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/20/2011102000419.html
特許紛争:サムスン、韓国でもiPhone4S販売禁止を推進
11月以降に仮処分申請か
サムスン電子が、韓国でも米アップルの新型スマートフォン(多機能携帯電話端末)「iPhone(アイフォーン)4S」の販売差し止めを求める仮処分を申請する考えを表明した。
サムスン電子はこれまで、韓国にまで泥沼の争いを持ち込むとイメージが悪化する恐れがあり、また韓国市場ではアップルより優位に立っているとの判断から、国内では仮処分申請をしないと明言していた。
サムスン電子の申宗均(シン・ジョンギュン)社長は19日、香港で自社の新型主力スマートフォン「ギャラクシー・ネクサス」発表会を行った後、記者団に対し
「韓国の裁判所にiPhone4Sの販売差し止めを求める仮処分を申請することを検討している」
と語った。
同社はこれまでに、自社の特許を侵害したとして、フランス、イタリア、オーストラリア、日本の裁判所に、iPhone4Sの販売差し止めを求める仮処分を申請した。
申社長は
「訴訟の対象を一部の国に限定しているわけではなく、できる限りの特許を動員し、可能な限り全ての国で訴訟を行いたい」
と話しており、特許紛争はさらに拡大するものと予想される。
サムスン電子が韓国の裁判所に仮処分を申請する時期は、11月半ば以降になる見通しだ。
アップルは今月14日に米国や日本など7カ国でiPhone4Sを発売し、ベルギーなど22カ国では28日から販売に入る。
韓国では11月半ば以降に発売される予定で、サムスン電子はこの時期に仮処分を申請する可能性が高い。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/28 08:32
アップルの手持ち現金、サムスン電子の10倍
アップルは26日、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で、9月末現在の手持ち現金が約815億ドル(約6兆1900億円)に達したことを明らかにした。
これは先ごろ死去した創業者、スティーブ・ジョブズ氏が伝記で明らかにした400億ドル(約3兆400億円)の約2倍の金額だ。
伝記によると、ジョブズ氏は昨年、台湾の宏達国際電子(HTC)を提訴した後
「必要ならば、死ぬ瞬間まで残された人生と銀行にあるアップルの資金400億ドルをつぎ込んででも、状況を正したい」
と述べたという。
ジョブズ氏は
「(グーグルの)アンドロイドを打倒するためには、喜んで『核戦争』も辞さない」
とも話した。
巨額の手持ち現金で長丁場の訴訟を戦う覚悟を示した発言だった。
SECへの提出資料によると、アップルの手持ち現金は昨年9月時点で440億ドル(約3兆3400億円)だったが、過去1年間で375億ドル(約2兆8500億円)の現金をさらに積み上げたことになる。
サムスン電子をはじめ、全世界のスマートフォンメーカーと全面的な特許戦争を展開するための「実弾」をたっぷり蓄えた形だ。
サムスン電子の手持ち現金は、今年6月末現在で9兆3000億ウォン(約6360億円)で、アップルの10分の1にすぎない。
両社の手持ち現金にこれだけ差がつくのは、配当性向の違いが原因とみられる。
アップルは1995年以降、一度も配当を実施していないが、サムスン電子は毎年1回以上、現金配当を行っている。
今年7月にも普通株、優先株1株当たり500ウォン(約34円)、合計で750億ウォン(約51億3000万円)を株主に分配した。
近年の配当額は2009年が1兆1854億ウォン(約810億円)、10年が1兆4960億ウォン(約1020億円)だった。
アップルはまた、昨年10月から今年9月までの1年間で研究開発に24億ドル(約1820億円)を投資した。
これに対し、サムスン電子は今年上半期だけで4兆9876億ウォン(約3410億円)を使い、通年では研究開発費がアップルの4倍に達する見通しだ。
サムスン電子は、携帯電話、パソコン、タブレット型パソコンなどアップルとの競合商品以外に、冷蔵庫、エアコン、テレビなど家電製品、半導体も生産しているため、研究費がかさむ。
ただ、両社が競合する分野に限って見ると、アップルはサムスンの2倍以上の研究費を投じているとみられる。
アップルはまた、ノースカロライナ州のデータセンター建設など設備投資にも43億ドル(約3270億円)を充てた。
このほか、アップルは社員数を昨年の4万6000人から今年第3四半期には6万400人へと40%も増やした。
サムスン電子の社員数は6月末現在で10万453人となっている。
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アップルはジワジワとサムスンを締め上げていくのかもしれない。
喧嘩を売ったサムスンには敬意を評するが、勝算なしでやっているわけでもないだろう。
何か隠し玉があるのだろうか。
いまのところ、サムスンの運命は見えてきている。
「玉砕戦法」を仕掛けているようだが、この体力差は自滅の道へとつながっているように思える。
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