2011年10月21日金曜日

「75トン級ロケットエンジン、独自開発できる」

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●2009年初め、ロシア・モスクワ郊外の地上燃焼試験場に運ばれるアンガラ・ロケット。
 「羅老」の1段目がまさにこのロケットだ。
 /写真提供=ロシア・クルニチェフ国家研究生産宇宙センター




朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/21 11:26
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/21/2011102100949.html

「75トン級ロケットエンジン、独自開発できる」
朴泰鶴ロケット事業団長

 韓国が、推力30トン級の宇宙ロケット用液体燃料ロケットエンジンの開発を終え、韓国型ロケット(KSLV2)用の推力75トン級液体燃料エンジンの開発を本格的に開始する。

 朴泰鶴(パク・テハク)韓国型ロケット事業団長は20日、本紙の単独インタビューに応じ
 「過去1年の技術検討を経て、韓国航空宇宙研究院(航宇研)が開発した30トン液体燃料エンジンの技術と開発要員により、韓国型ロケット用の75トン液体燃料エンジンを十分に開発できると確信した」
と語った。

 韓国政府は、2021年までに総額1兆5499億ウォン(現在のレートで約1040億円、以下同じ)を投じ、アリラン衛星のような重量1.5トン級の実用衛星を高度600-800キロの軌道に打ち上げられる3段式の韓国型ロケットを、韓国の国内技術で開発する計画だ。
 1段目は推力75トンのエンジンを4基束ねて推力300トンを実現し、2段目は75トンのエンジン1基、3段目は推力5-10トン級エンジン1基を搭載する。
 朴団長は「羅老号のケースのように、今やいくら多額の資金を積んでも、宇宙ロケット技術を供与してくれる国はないため、独自に開発するしかない」と語った。

-韓国型ロケット開発事業団は、航宇研から独立した産学研開放型研究組織とのことだが、どういう違いがあるのか。

  「羅老号の場合は、航宇研が設計を手掛け、企業に製造を委託するというやり方だったが、韓国型ロケットは、初期設計の段階から企業と共に行う。
 2021年までに、1兆5499億ウォンの予算のうち1兆2000億ウォン(約806億円)程度が、現代重工業・ハンファ・大韓航空・サムスンテックウィンなど参加企業に割り当てられるだろう」

-企業としては、収益があって初めて参加するはずだが。

  「衛星打ち上げの需要は、年々増加している。
 企業が参加すれば、ロケットの実用化も加速するだろう。
 大学が輩出する人材を企業が吸収してこそ、宇宙開発の要員も十分に確保できる」

-宇宙ロケットの核心部分に当たる液体燃料ロケットエンジンの技術はあるか。

  「02年に、韓国初の液体燃料ロケットとなる、13トン級の“KSR3”の発射に成功した。
 その後、30トン級エンジンの中心部分を全て開発した。
 この技術を基盤として、75トン級エンジンを開発するつもりだ」

-30トン級エンジンからすぐに75トン級に飛躍できるのか。

  「30トンを開発したら後、次は50トン、60トンと段階を踏まなければならないという決まりはない。
 余裕があるならともかく、もはや30トン級エンジンは終えて、すぐに75トン級の開発に進む」

-ロケット先進国との協力も模索するのか。

  「米国や欧州は、価格を非常に高くつり上げた。
 日本・中国・インドは、韓国に技術を供与する気がなかったり、国際条約の問題がある。
 協力してくれそうな国はロシアとウクライナだけだ。
 現在、ウクライナのユージュノエ(ムグンファ衛星を打ち上げたゼニット・ロケットと、アリラン5号を打ち上げたドニエプル・ロケットの開発元)との間で、技術導入のための集中的な話し合いを行っている」

-そうなると、独自開発とはいえないのでは。

  「百パーセント独自開発というものは、世の中のどこにも存在せず、そうする必要もない。
 小さな部品一つのために韓国に工場を作っていたら、事業はうまくいかない。
 エンジンや燃焼試験施設のように、金を掛けても手に入らないものだけを韓国が手掛ける」

-国内外の報道では、ロシアの弾道ミサイルや宇宙ロケットのエンジンを韓国に持ち込んだとか、導入を試みたという話が出ているが。

 「そんな話も聞くが、事実についてはごく少数の人しか知らない。
 その人々は、知っていても話せないだろう」

-海外では、韓国型ロケットが武器に転用されかねないという疑惑もあるが。

 「武器の世界には、トップだけが存在する。
 2位、3位は必要ない。
 弾道ミサイルとして使用するつもりなら、いつでも発射が可能な固体燃料ロケットを開発しなければならない。
 あくまでも韓国型ロケットは液体燃料ロケットだ」

-これまで兵器開発に携わってきたが、宇宙ロケット開発に参入した理由は。

 「羅老号の第1次・第2次打ち上げ失敗の原因分析に参加した。
 その時、休みも盆正月もなく狂ったように働いた。
 何の報償もなかったが、“宇宙”という単語はとても魅力的だった」

-羅老号と韓国型ロケットの間につながりはあるか。

 「1段目ロケット以外は全ての工程に携わったため、(これまでの経験が)役に立つ。
 発射場や発射台の建設経験も活用できる。羅老宇宙センターも、拡張すれば使用できる」

 朴団長は、慶北大学で機械工学の修士・博士学位を取得し、1978年から今年まで国防科学研究所で誘導兵器(ミサイル)の開発業務を担当してきた。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/21 11:29
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/21/2011102100954.html

未だに地上燃焼試験場を持たない韓国

 韓国型発射体(ロケット装置)開発事業団のパク・テハク団長は
 「2014年末までに1段目、2段目ロケット用の75トンエンジンと3段目ロケット用の5‐10トンエンジンの地上燃焼試験施設を、羅老宇宙センター(全羅南道高興郡)と韓国航空宇宙研究院(大田市)に建設する」
と発表した。
 韓国が自国製のロケット装置開発に関する議論を始めたのは、02年に初の液体燃料ロケット「KSR‐3」の打ち上げに成功してからだ。
 開発に着手してから10年が経過するが、いまだに地上燃焼試験施設さえ持っていないことになる。

 厳密に言うと、航空宇宙研究院が開発した30トン級エンジンも、まだ最終的な燃焼試験を終えていない。
 同研究院は30トン級エンジンを構成する燃焼器とターボポンプ、ガス発生器など、主要部分を別々に製作し、それぞれ韓国で地上試験を行った。
 研究院の趙光来(チョ・グァンレ)博士は
 「国内に30トンクラス用の試験施設はあるが、組み立てを終えたエンジンを試験できるほどの規模ではない」
と話し、30トン級エンジンのうち、ターボポンプとガス発生器の結合体はロシアで別途試験したと説明した。
 同様の理由で、75トン液体エンジンの試作品も、出力を40%ほどに抑えて試験している。

 一般的に、一つのエンジンを開発するには2万秒以上の地上燃焼試験が必要となる。
 ロシアのクルニチェフ国家研究生産宇宙センターは、人工衛星打ち上げロケット「羅老」の1段目エンジンに対し、120回にわたる計2万6892秒の地上燃焼試験を行った。
 このうち3回の燃焼試験は、エンジンに燃料・酸化剤タンクまで備えた完ぺきなロケットの状態で行われた。

 韓国のあるロケット専門家は
 「ロケットの開発方針が独自開発からロシアとの共同開発に変わり、燃焼試験施設もロシアのものを利用すればよいと考えたのだろう。
 しかし、その間にロシアが立場を変え、無駄に歳月を過ごした格好だ」
と話している。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/21 11:27
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/21/2011102100950.html

羅老号:韓ロ、3回目の打ち上げに合意
来年9月までには打ち上げか


 韓国・ロシア両国の政府が、宇宙ロケット「羅老号」の3回目の打ち上げに合意した。
 打ち上げ時期は、遅くとも来年9月中と推定されている。

 崔鍾培(チェ・ジョンベ)教育科学技術部(省に相当)戦略技術開発官は
 「今月18-19日にソウルで開かれた“韓ロ合同調査団”の第2回会議でも、羅老号の失敗原因をめぐる合意には至らなかったが、双方がそれぞれ提起した羅老号打ち上げ失敗の原因となった問題点を、全て改善することで合意した。
 さらに両国政府は、3回目の打ち上げに合意した」
と発表した。

 教育科学技術部の関係者は
 「改善作業やロケット製造の日程を考慮しても、遅くとも来年8-9月には3回目の打ち上げが可能になるだろう」
と語った。





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