● 「ロシアの声」より
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ロシアの声 13.05.2011, 14:04
http://japanese.ruvr.ru/2011/05/13/50240685.html
南北朝鮮統一は地域の崩壊をもたらすか
先日韓国の李明博大統領は「南北統一は、そう遠い未来の事ではない」と述べたが、ロシアの複数の専門家達は、この発言にコメントし
「朝鮮半島は今日、一種の『ベルリンの壁』により分断されており、それがなくなれば、地域の崩壊・分解がもたらされるだろう」
と指摘した。
韓国政府は、統一はどのような代価を支払っても成し遂げなくてはならないと考えている。
一方北朝鮮側は、そうした方法で南が北を飲み込もうとするならば、宣戦布告を意味すると警告を発した。
ロシア科学アカデミー極東研究所のコンスタンチン・アスモロフ研究員は
「韓国大統領の言う南北統一には5兆ドルかかる。
そうした金は、南にはない。
韓国の金外貨準備高は、現在その15分の1に過ぎない。
加えて、南による北の吸収は、アジアに対立の激化をもたらす恐れがある」
との考えを示し、さらに次のように続けた―
「韓国は『魔女狩り』を愛するが、それは、北朝鮮のノーメンクラトゥーラ(特権階級)の大変多くの人々が、仕事につけない状況をもたらすだろう。
特権階級というのは、軍人・技術者・医師・教師だ。
彼らの一部は、国を離れる事を余儀なくさせられ、別の一部は恐らく、犯罪あるいはテロリズムの道に走るだろう。
ロシアも中国も、難民流入を望んでいない事は明らかだ。
また韓国に駐留する米軍基地が直接、中国やロシアとの国境に置かれた場合、どのような結果がもたらされるか、それは全く予測不可能である。」
続いて、モスクワ国際関係大学のヴィクトル・ミズィン教授の意見を御紹介したい―
「朝鮮半島における『ベルリンの壁』消滅は、韓国の同盟国に対する重大な挑戦になるだろう。
アメリカの専門家達は、『消滅』を大変恐れている。
なぜなら、北朝鮮の核潜在力は、韓国の工業力や先端テクノロジーを倍加するだろうからだ。
北東アジアに、かなり強力な経済的及び政治的なパワー・センターが生まれてしまう。
これは日本にとっても脅威となるだろう。
中国政府も、アジアの政治舞台に、そうした強いプレーヤーが出現する事を現実として望まないだろう。」
こうした状況において
「南北朝鮮統一問題において最も大きな影響力を持つアメリカも又中国も、問題解決を投げ出してはならない」
―ロシア科学アカデミー・モスクワ国際経済・国際関係研究所アジア太平洋研究センターのゲンナジイ・チュフリン所長は、そう考えている―
「今は、南北の現実的統一について真剣に話すのではなく、別の事について、つまり、この問題に関する米中間の対話開始と継続について話す必要がある。
この両国は、実際上、南北朝鮮に影響力を行使できる状態にあり、双方を、朝鮮民族にとって非常に重要な問題を。
よく考え抜かれた解決の道へと導く事ができる。 最も肝心なのは、軍事衝突を許さない事だ。」
南北朝鮮はそれぞれ巨大な軍事力を持っており、つまらない挑発によっても、戦火に発展する可能性がある。
それを考えるなら、朝鮮半島の『ベルリンの壁』消滅は、予測のつかない結果をもたらす恐れがあり、どのような場合でも、この地域に大きなショックをもたらすに違いない。
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時事.com 2011/10/08-19:48
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011100800179
南北統一後のGDP、世界7位に=30年想定、費用は最大186兆円
【ソウル時事】韓国政府から南北統一費用とその財源の検討を委託された研究チームは8日までに、2030年に統一した場合、今年から統一10年後の40年までに掛かる費用は813兆6000億~2836兆2000億ウォン(約53兆~186兆円)との推計をまとめた。
その場合、40年の名目GDP(国内総生産)は5兆4810億ドル(約421兆円)となり、昨年の世界13位から7位に上昇するとしている。
20年の統一を想定した短期、40年に統一する長期のモデルも算出。
長期モデルでは、統一10年後の50年の名目GDPは30年に統一する中期モデルと同じ世界7位だが、日本を上回る。
さらに、南北の統一国家に関し「ユーラシア大陸と朝鮮半島、太平洋を結ぶ架け橋」「東北アジア経済圏の中心軸」などとバラ色の未来を提示したが、見通しが楽観的すぎるとの指摘も出ている。
研究は、昨年8月に李明博大統領が南北統一に向けた「統一税」導入の検討を提唱したことを受け、政府系の統一研究院や民間シンクタンク、大学らで構成するチームが行った。
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NHKニュース 10月7日 22時35分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111007/t10013121651000.html
韓国 統一費用試算184兆円
韓国政府は、朝鮮半島が西暦2030年に統一すると仮定した場合、統一後の10年を含めた今後30年間に韓国側が負担する費用は、北朝鮮との間で広がる経済的な格差から、日本円で最大184兆円に達するという試算を発表しました。
これは、韓国政府で北朝鮮問題を担当する統一省の委託を受けた研究機関が、7日、ソウルで開かれた報告会で発表したものです。
それによりますと、韓国と北朝鮮が西暦2030年に統一すると仮定した場合、統一後の10年を含めた今後30年間に韓国側が負担する費用は、日本円で52兆円から最大で184兆円に達するとしています。
これは、2030年に30代から40代を迎える働き盛りの世代が、統一後、1人当たり平均120万円前後を負担する計算になるということです。
韓国と北朝鮮の経済的な格差は年々広がっており、国の豊かさを示す国民総所得の南北の開きは、おととしの時点で37倍に達しています。
韓国のイ・ミョンバク大統領は、去年、将来の統一に向けた新たな税を創設する考えを示唆しており、今回の試算を受けて、統一省は財源をどのように確保するのかなどについて検討することにしています。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/08 10:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/08/2011100800491.html
「2030年に南北統一すれば世界8位の経済大国に」
統一部が研究結果を発表
2030年に南北統一が実現すれば、統一から10年間に734兆ウォン(約48兆円)から2757兆ウォン(約181兆円)の統一費用が必要だが、事前に韓国で年金や医療制度を改革すれば、この費用を6%から16%ほど削減できるとする研究結果が公表された。
統一部(省に相当)が発注した「南北共同体基盤造成事業」で、政策分野の研究を担当した民間の研究チームは7日、ソウル市内の韓国プレスセンターで上記の内容を骨子とする研究結果を発表した。
この研究チームによると、予想される統一費用の多くは年金や医療などの福祉関係に使われるという。
統一部の関係者は「統一から10年かけて北朝鮮の福祉制度を徐々に拡充していった場合は734兆ウォン、統一直後に北朝鮮と韓国の福祉制度を統合した場合は2757兆ウォン必要だ」とした上で
「統一に備え、韓国で福祉関連の費用をあらかじめ削減しておけば、将来の統一に伴う負担を大きく減らすことができるだろう」
と述べた。
研究チームは財源を調達する方法として
「事前に最低限の財源を準備しておくことが必要だ。
統一が実現する前に統一税を徴収するなどして基金を造成し、統一時には債券の発行などによって世代間の公平性を確保しなければならない」
とコメントした。
研究チームは統一後の統合韓国軍の兵力を50万人としている。
これについて、統一部の関係者は「事前に国防部など関連省庁と議論した上で出てきた数字だ」と説明した。
研究チームは、2040年の統一韓半島(朝鮮半島)の国内総生産(GDP)は5兆4815億ドル(約420兆円)、貿易規模は3兆7436億ドル(約287兆円)と試算し、世界8位の経済大国になると予想した。
統一部はこれらの研究結果に基づき、統一に向けた財源を調達する方法に関する政府案を今月中に国会に提出し、立法化を進めたい考えだ。
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おそらく、統一したら、泥沼に落ち込んでいくだろうと思う。
なるべく明日に期待を持たせるように操作しているようだが、マイナスに振れたときの宗貞をしていない。
すべて、プラスにいくとしていくらゼニがかかるか、という試算のように見えるのだが。
思うに、プラスにいく可能性はマイナスにいく可能性よりはるかに少ないだろう。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/19 08:57
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/19/2011101900415.html
「統一はもはや韓国の国家目標ではない」=米紙
「南北統一は韓国の『国家的目標(national goal)』と考えられてきたが、若者たちはそう考えなくなってきている」と米紙ワシントン・ポストが18日、報じた。
同紙は「若い韓国人たち、統一を警戒」という見出しの国際面トップ記事で「韓国の若者たちは徐々に、南北統一が傷を癒すものではなく、繁栄する国を混迷させかねないものと考えるようになってきた」と書いている。
実際、ソウル大学が実施した世論調査の結果を見ると「統一は必要だと思うか」との質問に、50代では「そう思う」という回答が2007年69%、11年64%とそれほど変わらなかったが、20代では07年53%、11年41%と明らかに低下している。
同紙はまた「相当数の韓国人は、60年近く分断状態にある北朝鮮を『ほかの近隣諸国と同じように見ることができるのか』という新たな疑問点に到達したとみられる」と分析している。
さらに「これについて、統一部(省に相当)をはじめとする政府当局はこのほど『オンライン統一教育講座』を開設したり、タレントオーディション番組のスポンサーになったりするなど、統一によるプラス効果を促進する対策作りに乗り出した」と同紙は報じている。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/22 09:40
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/22/2011102200389.html
【社説】「金正日政権最後の日」をどう迎えるか
かつてリビアの国家元首だったムアマル・カダフィ大佐が、最後の拠点だった故郷のシルトで銃撃を受け死亡した。
1969年9月のクーデターで政権を取った後、42年間続いたカダフィ大佐の鉄拳統治時代は、悲惨な終幕を迎えた。
カダフィ大佐の無残な最期を見届けた人々は、ルーマニアの独裁者だったチャウシェスク元大統領の最期の瞬間を思い浮かべたことだろう。
チャウシェスク元大統領は、北朝鮮の故・金日成(キム・イルソン)主席の無二の親友で、何度も訪朝し、平壌の人民宮殿を見習ってブカレストに巨大な大統領宮殿を建設した。
89年秋に東欧各地で民主化の風が吹き始めたときも、チャウシェスク元大統領の無慈悲さを知る人々は、この政権だけは決して崩壊しないと考えていた。
89年12月、ルーマニアでチャウシェスク退陣を要求するデモが始まると、同氏は軍隊に発砲命令を下した。
しかし、徒手空拳の国民は大統領宮殿を陥落させ、ヘリに乗って脱出したチャウシェスク元大統領夫妻も後に警察に捕まり、公開銃殺の刑に処され白い雪を赤い血で染めた。
今年2月、カダフィ大佐が反政府デモに戦闘機で爆撃を加えると、カダフィ大佐の出身部族の強大な勢力によって、反政府デモ隊は最終的に終息するだろうと誰もが考えていた。
しかしカダフィ大佐が抱えていた最新の戦闘機やミサイルは、最終的に同氏を守ることはできなかった。
今、地球上に残る独裁者といえば、シリアのアサド、イエメンのサレハ、そして北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)の3人が挙げられる。
中東の2政権は、徐々に激化する反政府闘争を武力で押さえ込み持ちこたえているが、イエメン政権は半ば崩壊したも同然の状態だ。
多くの専門家が、45年から66年間にわたり住民を抑圧している金日成・金正日・金正恩(キム・ジョンウン)の3代世襲政権だけは、容易に滅びないだろうとの見方を示している。
北朝鮮の南側は休戦ラインでふさがれ、北側では兄弟国の中国が丈夫な支柱の役目を果たしているため、世界の民主化に関するニュースが伝わりにくいからだ。
しかし専門家たちが多数説と信じていることも、ある日崩壊してのぞきこんで見ると、中身が空っぽのお菓子のように、まさに空虚だったというケースは多々ある。
米国は、北朝鮮と交渉して問題を解決するよりは、北の体制変化を待つ方がより賢明だと判断する方向に傾いている。
「革命家族」という偽りの系譜で住民を欺くのも今や限界に達し、水も漏らさぬまでに防いではいるものの、世界の変化に関するニュースは、北朝鮮の中間層以上にとってはもはや聞き慣れない話ではない。
それに金正日総書記の寿命も、残り10年に満たないとの見方が強い。
金総書記の息子や孫が北朝鮮の外で示している行動と、脱北者らの行列は、北朝鮮が最上層と最下層で同時に崩壊しつつある状況を物語っている。
金正日体制の最後は、10年後に訪れるか、それよりはるかに早く訪れるかもしれない。
北の体制が自然に倒れるのを待とうとすれば、北の住民が強いられている地獄のような暮らしが、それだけ長期化することになる。
また、北の体制崩壊を促進しようとするならば、カダフィ大佐が見せたような最後のあがきを呼び、悲劇をもたらすかもしれない。
果たして韓国では、大統領から一般市民に至るまで全国民が、北朝鮮の最後に対面するにあたって、どのような心の準備ができているだろうか。
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ドイツの東西統合の場合は
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● 朝鮮日報より
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/03 13:51
南北統一:北朝鮮、東独並みの急成長は困難?
東ドイツ地域の製造業生産性が、統一から21年にして西ドイツ地域の90%に達したことが明らかになったが、南北統一の場合、北朝鮮地域の生産性が韓国の90%水準に達するまでには、これよりはるかに長い期間がかかりそうだ。
統一直前の東ドイツと西ドイツの経済力格差が9.7倍だったのに対し、韓国と北朝鮮の経済規模は40倍の開きがあるためだ。
梨花女子大学のチョ・ドンホ教授は
「東ドイツは社会主義圏で経済力が大きかったにもかかわらず、現在の水準に達するまでに21年かかった。
東ドイツの経済規模にもはるかに及ばない北朝鮮をある程度の水準まで成長させるには、先が長い」
と話した。
韓国政府から依頼を受け、南北統一所要費用に関する研究を手掛けた統一研究院・統一政策研究センターのパク・チョンチョル所長は
「財政に余裕があればその時期をいくらでも早めることはできるが、南北統一後の堅調な経済成長を前提とする必要があるため、際限なく(北朝鮮地域の成長に)金をつぎ込むことはできない」
と説明した。
また、対外経済政策研究院の尹徳竜(ユン・ドクリョン)先任研究委員は
「名目賃金の引き上げは通貨統合によってある程度は達成できるが、労働生産性を引き上げるのは容易ではない」
と語った。
統一直後、西ドイツの労働組合は東ドイツの労働者が高い賃金を求めて西ドイツに殺到することを懸念し、積極的に東ドイツに進出して労組結成をサポートし、企業と攻撃的な賃金交渉を行った。
その結果、企業は東ドイツではなく周辺の東欧諸国に進出した。
尹研究委員は、これにより東ドイツ地域で大勢の失業者が発生し、ドイツ政府は多額の福祉費用を支出することを余儀なくされたと説明。
これを踏まえ
「南北は統一しても、北朝鮮地域の労働生産性がある程度の水準に達するまで、社会統合を最大限先送りする必要がある」
と指摘した。
一方で、北朝鮮地域の生産性向上は意外に難しくないとの見方もある。
高麗大のチョ・ヨンギ教授は
「韓国の産業化ノウハウという目に見えない資源と、北朝鮮の豊富な地下資源を組み合わせれば、北朝鮮経済の正常化時期をはるかに早められる」
との持論を示した。
チョ・ドンホ教授も
「北朝鮮の経済規模は相対的に東ドイツに比べ小さいため、うまく投資すれば急成長が可能な面もある」
と予測した。
』
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/03 13:40
東独の製造業生産性、20年で西独の90%に
旧東ドイツ地域の生産性(就業者1人当たりの総付加価値基準)が、先ごろ一部の分野で旧西ドイツ地域の生産性の90%に達したことが分かった。
韓国銀行のフランクフルト事務所が最近公表した「東西ドイツ統一21周年、経済成果と評価」と題する調査報告書によると、東ドイツ地域の製造業の生産性は、統一直後の1991年は西ドイツの45%だったが、昨年には90%まで追い付いたという。
西ドイツ地域に対する東ドイツ地域の生産性は、調査分野全体では平均80.1%だった。
サービス業は80.2%、建設業は70%台で伸び悩んでいる。
報告書は、東ドイツ地域の生産性向上の原因について、近代的な生産設備の拡充など資本投入が大幅に増え、労働者教育も着実に行われたためと分析している。
東ドイツ地域の賃金も、91年は西ドイツ地域の58.2%にとどまっていたが、91‐95年の年平均12.0%に達する賃金上昇率、継続的な労働市場開拓などが影響し、最近は80%まで上昇している。
東ドイツ地域の賃金と生産性がそれぞれ西ドイツ地域の80%ほどに上昇したことから、統一直後の単位労働費用ベースの競争力劣勢はほぼ解消された、 と報告書は分析している。
旧東ドイツ地域の1人当たり国内総生産(GDP)も2万3500ユーロ(約250万円)=欧州中央銀行・ドイツ連邦統計庁統計=と、ドイツ全体の平均2万9000ユーロ(約310万円)=西ドイツ地域の平均は3万2300ユーロ〈約350万円〉=にかなり追い付き、ユーロ圏の一部の国を上回るほどになった。
ドイツの財政均等化制度により、巨額の資本が西ドイツ地域から東ドイツ地域に移されているためだ。
だが、東ドイツ地域は経済の急成長にもかかわらず、失業率は9月現在10.4%と、西ドイツ地域(5.7%)の2倍近くに達している。
経済成長率も、全体的に見ると、80%まで追い付いた後は緩やかな成長曲線を描いている。
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