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● 光学4号機
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サーチナニュース 2011/10/11(火) 11:14
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1011&f=politics_1011_003.shtml
情報収集衛星を相次いで打ち上げる日本の真意
三菱重工業(MHI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月23日、6基目の情報収集衛星「光学4号機」の打ち上げに成功した。
日本政府の発表によると、この「光学4号機」は、おもに北朝鮮の軍事施設への監視強化のために打ち上げられたが、中国メディアの中国網日本語版(チャイナネット)は情報収集衛星の打ち上げの真意について推測する記事を掲載した。
以下は同記事より。
日本は2003年3月にも「北朝鮮脅威論」を口実として、初めての情報収集衛星2基を打ち上げ、その後、相次いで3基の情報収集衛星を打ち上げている。
技術面からみると、これはすでに北朝鮮監視の需要を遥かに上回っている。
では、日本の本当の意図は一体は何だろうか。
◇露中の軍事施設への監視を強化
長い間、日本政府は晴天の白昼、高精度で撮影できる光学衛星2基と、夜間や曇天時にも電波で物体を捉えられるレーダー衛星2基の計4基体制を確立し、いかなる条件においても世界のいかなるところに対しても、毎日少なくとも1回偵察できることを目指している。
その後、レーダー衛星2基は相次ぎ故障で使用停止になったので、日本政府は、2012年度に改めて2基の衛星を打ち上げる予定だ。
今回の4号機は第2世代で識別可能な物体の大きさ(解像度)が第1世代の1メートルから約60センチに向上している。
これで情報収集衛星のネットワークはさらに整備され、世界に対する監視能力も一層強化されている。
米国中央情報局(CIA)のウェブサイトの報道によると、日本は初の情報衛星2基を2003年に打ち上げてから、国内に写真や画像を伝送し続けてきた。
内容は北朝鮮の核施設やミサイル発射基地などのほか、ロシアと中国の軍事施設も含まれるという。
また、自ら情報収集衛星を研究開発し、打ち上げることによって、日本は米国への過度の依存から脱却し、情報収集における自主権を高めることを目指している。
長い情報収集の歴史を持ち、昔は情報収集の大国だったに日本は、第2次世界大戦後、情報収集の面で米国に依存せざるを得ず、独自に衛星によって情報を収集する能力を持っていなかった。
当時、日本はおもに米国、フランスなどの商業衛星会社に必要な衛星写真を購入していたが、これらの写真は1-2カ月遅れているので、日本は突発的な事件対応に問題があり、自らの戦略的意図があらわになる恐れもあった。
特に、北朝鮮が「大浦洞(テボドン)」中距離弾道ミサイルの発射試験を実施した1998年、日本は米国経由でこの情報を獲得したが、これに大いに「刺激」された日本政府は、自国の情報収集衛星を整備していかなければならないと痛感した。
近年、情報収集衛星のネットワークの形成と衛星性能の大幅な向上につれ、日本は米国への過度の依存から初歩的な脱却に成功している。
しかし、日本の野心はここに止まることはない。
近年、「軍事大国」に向かって前進し続ける日本の意図はさらに明らかになり、進む歩みも加速されている。
情報収集衛星は、現代の先端技術を集めており、一国の軍事力のシンボルである。
日本は2003年に、世界における数少ない情報収集衛星の保有国となり、まちがいなく軍事大国への道に重要な一歩を踏み出した。
08年5月、日本はさらに「宇宙基本法」を可決し、「国の安全保障」という名義で、合法的に「宇宙開発利用を推進する」ことを許可し、宇宙開発利用のすべての障碍を一掃し、軍事的「触角」を全面的に宇宙に伸ばしている。
こうした背景の下で、日本がまた、ほかのタイプの情報収集衛星を研究開発し、「軍事大国」に向かう歩みを加速するかどうかという問題は、もっとも注目されている。
日本でこれを支持する人は少なくなく、関連諸国は高度な警戒心を持たなければならない。
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毎日新聞 2011年9月24日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20110924ddm041040123000c.html
情報収集衛星:光学4号機打ち上げ H2A、13回連続成功
三菱重工業(MHI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日午後1時36分、政府の情報収集衛星「光学4号機」を搭載したH2Aロケット19号機を、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。
約25分後、衛星を無事分離し、予定の軌道に投入したことを確認。
打ち上げは成功した。
03年11月、情報収集衛星を搭載した6号機が打ち上げに失敗したのを最後に、13機連続の成功。
情報収集衛星は、北朝鮮などの軍事関連施設の監視を主任務とする事実上の偵察衛星で、03年に打ち上げが始まった。
カメラで撮影する光学衛星と、夜間や曇天でも監視できるレーダー衛星の2種類を各2基配備することを目指している。
光学4号機の開発・打ち上げ費用は計約450億円だった。
打ち上げ後、MHIの浅田正一郎宇宙事業部長は
「今後、打ち上げだけでなく衛星の運用などをパッケージとして新興国に売り込みたい」
と語った。
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■解説
◇費用対効果が不透明
情報収集衛星にはこれまで総額約8000億円の税金を投じ、政府も「大規模災害時の情報収集」を前面に出してその社会的役割を強調してきたが、撮影画像や運用状況などが公表されないため、費用対効果が不透明だ。
3月の東日本大震災では、同衛星を運用する内閣官房が衛星画像を基に「被災状況推定地図」を作製、官邸や警察、国土交通省など関係省庁に配布した。
吉井英勝衆院議員(共産)の質問主意書への回答や内閣官房によると、地図は道路の寸断状況、津波による被災状況を図示したもので、3月末までに4回作られ、被害把握に役立ったとしている。
しかし、衛星画像そのものは「安全保障上支障を及ぼす恐れがある」として非公開。東京電力福島第1原発事故の状況を伝える生々しい画像も、米国の商用衛星が撮った画像を約3600万円で購入せざるを得なかった。
内閣官房は
「専門家が分析すれば、衛星の飛行経路や時間帯が分かってしまい、都合の悪い場所をタイミングよく隠される恐れがある」
と理由を説明する。
とはいえ、内閣官房からの情報発信はあまりに少なく、「災害時の活用」は軍事色を隠すための方便と疑われても仕方がない。
目的に掲げる以上は、さらなる情報開示の方法を模索すべきだ。
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文部科学省 平成23(2011)年9月28日
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/016/gijiroku/attach/1311925.htm
H-ⅡAロケット19号機の打上げ結果について
1.報告事項
(1)H-ⅡAロケット19号機を種子島宇宙センター吉信射点(LP1)から平成23年9月23日(金曜日)13時36分(日本標準時)に計画通り打ち上げた。
(2)H-ⅡAロケット19号機は予定されていた飛行経路を正常に飛行し、情報収集衛星光学4号機を所定の軌道に投入した。
なお、本打上げは、三菱重工業株式会社が打上げ執行に係る業務を執行し、JAXAは打上安全監理に係る業務を実施した。
以上
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