2011年10月19日水曜日

高速鉄道建設が減速で「日本のスパイに用心」


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サーチナニュース 2011/10/19(水) 10:45
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1019&f=national_1019_064.shtml

高速鉄道建設が減速で「日本のスパイに用心」

  中国商務部国際貿易経済合作研究院の梅新育研究員は取材に対し、高速鉄道は「メード・イン・チャイナ」の目玉商品になるとの見解を示し、高速鉄道の建設ペースの減速で、欧州や日本などのメーカーは産業スパイを使って中国の高速鉄道の技術を盗み取る可能性があるとし、設備メーカーにスパイ対策を強化するよう促した。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

■高速鉄道は「メード・イン・チャイナ」の目玉商品に

  中国の鉄道設備、車両、列車の先頭部分などの輸出額はここ数年、12―15億ドルに達している。
 梅新育氏は、中国の高速鉄道はさらに大きな海外市場を獲得し、中国の輸出の目玉商品になるとの見解を示した。

● 梅新育氏

  高速鉄道の追突事故の後も、わが国の高速鉄道、列車は欧州などの先進国で飛躍し続けている。
 2011年下半期、中国はエストニアなどの国に車両設備を輸出し、日本、ドイツ、フランスといったライバルを打ち負かした。
 米国で、中国企業はゼネラル・エレクトリック(GE)と合弁会社を設立し、米国の高速鉄道事業の入札に参加した。

  GEは中国の技術を導入し、米国で高速鉄道設備を生産する方針を固めている。
 また、イギリスの高速鉄道事業も中国の技術を採用する可能性が非常に高い。
 さらに、中国はブラジルの高速鉄道設備の運営にも技術を提供すると見られる。

 梅新育氏は、中国は海外市場を放棄すべきでないと見ている。
 中国は高速鉄道の設備を海外に輸出するだけでなく、その規格も提供しているためだ。
 中国が一歩先を行けば、全世界で中国の高速鉄道の規格が用いられることになる。

  ところが、世界で高速鉄道建設がブームとなっているなか、入札機関に厳しい条件を設ける国もある。
 例えば、ブラジルは運営数年後に返還することを要求している。
 「そのような状況下で、中国の高速鉄道メーカーが一括請負の入札から身を引き、設備だけを供給することには賛成だ」
と梅新育氏は話す。

■欧州、日本がこれを機に中国の高速鉄道技術を盗み取る恐れも

  梅新育氏は、中国の高速鉄道設備メーカーにスパイ対策を強化するよう促した。
 中国の高速鉄道は現在、世界でもっとも営業距離が長く、運営時速が速く、先進的な技術を持っている
 。欧州、日本のメーカーは中国の設備メーカーが自分たちの技術を盗んだと中傷しながらも、陰では産業スパイを使って中国の技術を盗もうとたくらんでいる。

  中国の高速鉄道の発展速度が低下している今は、国外のライバルにとって、産業スパイを送って中国の設備メーカーや運営業者に手を下す絶好のチャンスと言える。
 まさに同時期に、高速鉄道の建設規模が大幅に削減されたことにより、設備メーカーの従業員の報酬は大幅に減少し、半分になる可能性も出てきた。
 そのような状況で、中には心が揺らぐ人もいるだろう。
 これが、外部の産業スパイに手を下す絶好のチャンスを与えている。

 わからん !
 「井の中のカワズ」といったところだろうか。
 どうみたって、
 誰も中国の技術などまるで必要としていない。
 まあ、そういってみたい心境に陥いるほどダメージが大きかったということなのだろう。
 自己欺瞞か自己哀れみか、そんなところだろう。
 でないと、心理的崩壊が起こってしまうということかもしれない。
 丁度、終戦時の兵隊心理だろう。
 「皇軍」があっけなく、人間天皇になってしまった、あの精神的衝撃だ。
 商業営業で世界ナンバーワンのスピードをもち、その技術を世界に特許申請をすると豪語していた途端のあのとんでもない事故。
 みるも無残にして惨めな結末。
 精神的に崩壊してしまったのかもしれない。



サーチナニュース 2011/10/25(火) 12:25
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1025&f=national_1025_103.shtml

中国が高速鉄道の建設計画を見直し、追突事故の影響で

  中国の鉄道建設に近ごろ、構造調整の兆しが現れている。多くの高速鉄道建設プロジェクトが資金供給が途絶えたことにより工事を停止するなか、1本の大型貨物輸送専用線の建設が検討されている。
 それは内モンゴル自治区西部と華中地区をつなぐ「北煤南運(北の石炭を南へ運ぶ)」ルートだ。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

  温州市で起きた高速列車追突事故の影響を受け、これまで大々的に進められてきた『中長期鉄道網計画』と『十二・五(第12次5カ年計画)期間の総合交通輸送体系発展計画』は調整され、おもに建設規模と基準が縮小された。
 今では、重点とされず、優先されていなかった高速鉄道以外のプロジェクトが重視されるようになっている。
 内モンゴル自治区西部と華中地区をつなぐ「北煤南運」ルートもその一つだ。

  同プロジェクトの総投資額は1598億元(1兆9176億円)にのぼり、すでに「十二・五」期の鉄道建設計画に盛り込まれている。
 同ルートは国内最大規模の石炭輸送専用線となり、全長約1860キロで、生産地と消費地を直接結ぶ。

  7月23日の温州高速列車追突事故の後、8月10日、国務院常務会議は高速鉄道および建設中プロジェクトの安全を全面的に検査し、新たに建設する高速鉄道の運営初期の速度を引き下げ、計画中のプロジェクトに対してあらためて安全評価を行い、新規プロジェクトの認可を一時停止することを決めた。
 事故発生後に融資難となり、多くの建設中プロジェクトで資金供給が途絶えるという状況が生じ、鉄道インフラへの投資は5月から4カ月続けてマイナス成長となっており、その動きは年内続く見通し。建設停止や開通時期の延期となった鉄道は現時点で約1万キロに及ぶ。

  「十二・五」期の鉄道計画は、これまで数回の調整が行われてきた。
 鉄道部の劉志軍元部長は在任中、「十二・五」期末に全国の鉄道営業距離を12万キロ以上にし、高速鉄道を5万キロ、西部地域の鉄道を5万キロにする計画を打ち出した。

  ところが、その後に就任した盛光祖部長は今年4月に新たな計画を発表し、「十二・五」期末の高速鉄道の営業距離の目標を約4.5万キロに引き下げた。
 新計画は、「十二・五」期の鉄道インフラへの投資額を2兆8000億元(約33.6兆円)に設定している。
 鉄道システムのある関係者によると、この額は以前打ち出された年間7000億元(約8.4兆円)、5年で3兆5000億元(約42兆円)という構想より削減された。




サーチナニュース 2011/10/31(月) 13:24
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1031&f=business_1031_109.shtml

鉄道建設が基本的にすべて中断…資金繰り極端に悪化

  中国の鉄道建設分野の最大手、トンネル工事を手がける中鉄隧道集団の王夢恕副総工程師はこのほど、中国における鉄道建設工事は「基本的にすべて中断している」と述べた。
 政府・鉄道部の資金繰りの極端な悪化が原因という。
 京華時報が報じた。

  王副総工程師によると、鉄道建設工事は少なく見ても90%以上が止まっており、「基本的にはすべて中断している」状態だ。
 工事が中断している路線の距離は1万キロメートル以上で、うちトンネル部分は約5400キロメートルだ。

  7月23日に発生した高速鉄道の大事故が、鉄道建設の中止や遅延の要因になったとの見方もあるが、王副総工程師によれば主な原因は技術面ではなく資金問題だ。
 政府・鉄道部の鉄道分野の二大施工会社である中国鉄路工程総公司と中国鉄道建築総公司に対する未払い分は1300億元(約1兆6244億円)に達し、会社側は工事を進められない状態になった。

  鉄道部の資金不足が注目されるようになったのは、トップの劉志軍部長が規則違反などを理由に解任された2011年2月末前後とされる。
 同部が8月に発表した2011年上半期(1-6月)財務報告によると、
 負債額は2兆900億元以上で、負債率は58.53%だった。

  鉄道部は2009年通年で負債の元利合計で732億6000万元(約9154億円)返済したが、2010年の返済額は2倍以上の1501億元(約1兆8755億円)に達した。
 2011年以降も2、3年は、返済負担が増えることはあっても減ることはないとされる。

  鉄道部は、鉄道建設工事の相次ぐ中断に対処しようと、10月12日とわずか14日後の同月26日に、それぞれ鉄道建設債券200億元(約 2499億円)分、計400億元分を発行した。   
 2011年内には累計で1800億元(約2兆2491億円)分の各種債券を発行する方針だ。

  資金状況の悪化による混乱も見られる。
 鉄道部は2010年11月、吉林省の吉林・図們・琿春を結ぶ吉図琿鉄道を1年内に完成させると決め、関係部署に対応を命じた。
 施工会社は2011年2月3日の春節(旧正月)連休が終わった後、1万人以上の作業員を動員して建設作業の開始に備えた。
 資金 3500万元を投じたという。
 しかし4月になり、鉄道部は工期を4年間に延ばすと通達。

  多くの作業員が解雇され、施工会社も撤退を始めた。
 しかし1、2カ月たってから、工期を1年半に短縮するとの通達があったため、施工会社は改めて作業員を集めた。
 ところが最近になり、資金不足のため工事は停止するとの通達があったという。

    王副総工程師によると、現場作業員の賃金支払いは3-6カ月止まっている。
 作業員の多くは、現金収入を求めて故郷を離れた農民、いわゆる農民工だ。
 鉄道建設工事の中断と混乱は、社会不安を増大しかねない大問題になりつつある。


 あるとあらゆるところでパンク状態が芋づる式に発生しているようだ。




毎日新聞 2011年12月29日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20111229ddm007030110000c.html

中国:高速鉄道脱線 「制御システムに欠陥」 政府、前鉄道相ら54人処分

 中国浙江省温州市で7月に40人が死亡した高速鉄道事故で、中国政府の調査チームは28日、列車制御システムの設計上の重大な欠陥と応急措置の不備など人為ミスによる事故だったとする調査結果を政府に報告した。
 システム導入の過程にも規則違反があったと指摘した。
 これを受けて政府は、
 「主要な責任を負う」
とする劉志軍・前鉄道相と張曙光・前運輸局長の2人を含む計54人の処分を決めた。

 報告書によると、制御システムは鉄道省と関係が深い国有企業が請け負ったが、設計段階から開発管理が混乱し、システムに重大な設計上の欠陥と安全上のリスクが生じた。
 だが、鉄道省の入札審査や技術審査が甘く、欠陥が修正されないまま導入されたという。

 事故については、落雷で欠陥のあるシステムに障害が起き、誤って後続列車に進行を許す青信号が発信されたことが主因と断定。
 運行を管理する上海鉄路局作業員の安全意識も低く、障害への対応の不備で事故を防ぐことができなかったと指摘した。

 劉前鉄道相と張前運輸局長の2人は事故前に汚職疑惑で解任されていたが、急速な高速鉄道の拡大が招いた構造的な問題の監督責任を問われた模様だ。
 2人の処分はまだ決まっておらず、汚職事件の捜査結果とともに結論づけられるという。
 また、システムを請け負った国有企業の前社長も「主要な責任を負う」とされたが病死しており、処分対象から外れた。
 一方、陸東福・鉄道省次官はけん責処分となり、鉄道省と現職の盛光祖鉄道相に対しては反省を求めるにとどめた。

 ◇隠蔽体質にメス

 中国高速鉄道事故に関する報告書は、列車制御システムの設計上の重大な欠陥を事故の主因としながらも、劉志軍・前鉄道相や張曙光・前運輸局長らの指示の下で路線の拡大を進めてきた鉄道省の構造的な問題や隠蔽(いんぺい)体質にメスを入れるものとなった。
 しかし、求めた改革内容は具体性に乏しく、調査の限界も浮き彫りとなった。

 事故によって高速鉄道の信頼性が失墜し、国民の安全に対する意識が一気に高まったことから、報告書は世論を強く意識した内容となっている。

 鉄道当局は事故後、車両の一部を埋めたり、運転再開を事故から1日半後と急いだことから、中国版ツイッター「微博」を中心に「証拠隠滅」「人命軽視」との非難が集中した。
 報告書は
 「救助過程での鉄道省と(管轄する)上海鉄路局の措置は不適切だった」
 「情報公開が遅く、社会の関心への対応が不的確だった」
と指摘し、鉄道省の「隠蔽体質」を強く非難した。

 ただ、今回の処分は、前任者に責任を負わせることで、現指導部にまで責任問題が及ぶのを避けた形となった。
 調査結果は9月中旬に発表される予定だった。
 3カ月遅れとなった背景について、鉄道事故を取材している中国紙記者は
 「誰が責任をとるべきなのか激しい綱引きが続いていた」
と指摘した。
 さらに、報告書は鉄道省に対して安全管理体制などの見直しを求めたが、具体性に欠ける内容だ。

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 ■ことば

 ◇高速鉄道事故
 浙江省温州市で7月23日夜、浙江省杭州から福建省福州に向かっていた高速鉄道D3115列車が徐行していたところ、北京から福州に向かっていた高速鉄道D301列車が追突。調査報告書によると、40人が死亡し、172人が負傷した。直接的な経済損失は約2億元(約24億円)に上ると指摘した。




毎日新聞 2011年12月28日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20111228ddm007030010000c.html

中国:500キロ超の列車 試験用、スピード追求には批判

 中国の鉄道車両製造大手「中国南車」は、時速500キロ超での走行が可能な試験用列車を完成させた。
 日本の新幹線「はやて」などの技術を基に開発した「CRH380A」を改良した。
 7月の高速鉄道事故の調査報告書が今も公表されていないだけに、スピード追求の姿勢に批判的な意見も出ている。

 試験用列車は6両編成で、先頭車両は空気抵抗を抑えるためにCRH380Aよりも鋭い形状だ。
 国営新華社通信は
 「高速鉄道分野での中国の発言力強化につながる」
と伝えた。

 一方、26日付の北京紙「新京報」は、
 「高速列車の研究は安全性と信頼性の向上に力を注ぐべきだ」
とする専門家の意見を載せた。
 インターネット上でも
 「先に高速鉄道事故の報告書を出すべきだろう」
 「時速300キロでも問題があるのに、だれが乗るというのか」
といった書き込みが目立っている。











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