2011年11月28日月曜日

「手錠を返納」:警察官のスト?


● 「手錠を返納」―。
 全国の捜査現場に勤務する警察官らが、国務総理室が発表した「検察・警察捜査権調整案」に抗議するため、25日夜に忠清北道清原郡の体育公園に集まり、徹夜で会合を開いた。
 警察官たちは抗議の意志を表明するため、国務総理室に手錠を返納するという集団行動に出ている。



朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/26 11:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/26/2011112600491.html

警察官、捜査権めぐる調整案に集団で抗議

 忠清北道清原郡江内面の体育公園内にある飲食店では、入り口近くのテーブルの上に「謹弔 大韓民国強力班」と書かれた紙が貼られていた。
 強力班とは、凶悪犯罪を担当する部署を指す。
 25日午後8時ごろ、この職務を担当する100人以上の警察官が飲食店に集まり、ベルトに装着していた手錠を取り外してテーブルの上に放り投げた。
 この日集まったのはソウル、釜山、光州など、全国の警察署に勤務する警察官たちで、23日に国務総理室(首相室に相当)が発表した「検察・警察捜査権調整案」に抗議するため、手錠を国務総理室に返納すると表明した。

 警察官の間で「検察・警察捜査権調整案」に反発する動きが広まり、全国で警察官による集団行動が相次いでいる。
 捜査を担当する現場の刑事をはじめ、すでに退職した警察官の団体「警友会」や警察大学出身者らもこの動きに賛同している。
 25日に警察庁が発表した内容によると、全国に捜査警科(捜査を担当する警察の職務)の権限が与えられた警察官はおよそ2万2000人いるが、その68%に当たる1万5000人以上が権限を返納する申請を行ったという。

 警察官たちが放り投げた手錠はテーブルに積み上げられ、そこには
 「スポンサー検事やグレンジャー検事(収賄などの問題を起こした検事)は誰が捕まえるのか。
 気分が悪いので刑事はもうやめた」
 「検察共和国を改革するはずが、検察帝国に成り下がった」
など、検事への非難が書かれた紙も一緒に添えられた。

 会合に出席したある警察官は
 「言いたいことは山ほどある。会合は夜中の2―3時まで続きそうだ」
と話した。

 大田で勤務するある刑事は
 「今回の捜査権調整案で刑事のプライドは完全に傷付けられた。
 怒りの感情を抑えきれず、言いたいことを全て言わなければ気が済まない」
と怒りをあらわにした。

 清州から参加したある警察官は
 「警察を無視する検察や、おかしな調整案を取りまとめた国務総理室にも問題があるが、警察の捜査権を取り戻すと大口をたたいた警察上層部も責任を取るべきだ」
と語った。

 集会の開催は、警察イントラネットのメッセンジャーやフェイスブックなどを通じて伝わり、この動きに賛同する警察官たちが全国から集まった。

 また、24日から始まった捜査警科の権限返納の動きも全国に拡大しており、調整案に対する警察内部での反発が非常に大きいことを改めて示している。
 返納希望者の数は24日正午の時点で2747人だったが、25日には1万5000人にまで一気に膨れ上がった。

 ソウル市江南区の水西警察署では、刑事や捜査課で捜査警科の権限を持つ警察官119人のうち、94人が権限の返納を申請した。
 江南警察署でも同じく60人中40人がこの動きに賛同した。

 捜査警科返納の申請は正式な人事手続きではなく、個人的な意思表示に過ぎないため、実際に捜査業務に問題が生じる恐れは低い。
 しかし、一種の職務怠慢に該当するため、治安に空白が生じる可能性も指摘されている。

 こうした動きに対し、警察上層部は積極的な対応を示していない。
 警察庁のある幹部は
 「現場の警察官による一種の抗議行動まで制止することはできない」
と述べた。

 また同日には、幹部の多くが所属する警察大学同窓会の執行部からも7-8人が集まり、ソウル市内の飲食店で調整案への対応について協議を行った。
 退職警察官の親睦グループである警友会の会員30人も警察庁を訪れ、趙顕五(チョ・ヒョンオ)警察庁長官と面会した席で
 「李明博(イ・ミョンバク)大統領は“警察こそ名実共に捜査の主体だ”と明言したが、実際は内偵まで検察の指示を受けることになった。
 これでは警察の名誉が完全に失墜したも同然だ」
と訴えた。

 警察上層部は国務総理室による捜査権調整案について「すでに決まったことなので覆すのは不可能」と判断し、来年中に「刑事訴訟法」を改正して、警察による捜査権の独立を改めて推進する方針だ。

 警察庁のある幹部は
 「捜査権の調整に対して反発の声があるのは事実だが、これによって現場の警察署でのさまざまな捜査業務に支障が出ることのないよう対策を講じる」
とコメントした。

 警察の反発はあらかじめ予測されたことだった。
 検察と警察は16日から3日間、天安知識経済公務員教育院で合宿を行い、1日10時間以上にわたり交渉を続けた。
 その仲裁役を務めた国務総理室の関係者は
 「双方とも一切の譲歩に応じなかったため、話し合いは困難を極めた」
 「仲裁役という重責からのプレッシャーで、この3日間は最初から最後まで、蛇に巻かれて首を絞められる夢を見た」
と話した。

■捜査警科とは
 凶悪犯罪などを捜査する警察業務の一つ。
 現場の凶悪犯罪担当チームや経済犯罪捜査チームなどに勤務する刑事が、主に担当する職務。
 警察は毎年6月と12月に行われる人事の際に審査委員会を開き、捜査警科担当者を選定、あるいは解任する。




産経ニュース 2011.11.27 15:17 [韓国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111127/kor11112715180000-n1.htm

刑事が捜査をストライキ 韓国で検察指揮強化に反発

 検察が警察の捜査を「指揮する」と法で定める韓国で、政府が検察の権限を一層強化し警察の独自性を制約しようとしているとして、警察の刑事部門の捜査官らが集団で抗議、手錠を返上し捜査を行わないと宣言する動きが広がっている。

 警察はこれまで、逮捕など強制捜査以前の内偵だけは慣行として検察との連絡なしに行ってきた。
 だが23日、政府が人権保護と捜査の効率化を目的に内偵内容の検察への報告義務を骨子とした制度改正を提示した。

 警察側は既得権を奪われると反発。警察庁幹部は「絶対受け入れられない」と公言し、現場の刑事の間で短文投稿サイト「ツイッター」などを通じた「手錠返上運動」が急速に拡大、刑事百数十人が抗議集会で気勢を上げた。
 「検察官の不正を捜査する権限を警察に認めるなら、制度改正を受け入れる」
と政府と検察をけん制する声も出ている。(共同)


 どうも内容がよくわからないので、もう少し様子をみることにします。
 でも、法を守るのが警察官の役目、その警察官が法にたてつくのはちょっとマズイような気がする。
 ソクラテスではないが「悪法も法」である。
 悪法を守るのも警察官の仕事。
 国会で催涙弾を破裂させて罪に問われないのもおかしいし、警察官がストするのもおかしい。
 韓国社会は病んでいる。
 そうみてもまず大きく外れることはあるまい。
 これから、日本とおなじように韓国社会は成長が止まり、並行型経済に入っていく。
 そこで一気にウミが出てきそうな気がする。



朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/28 10:00
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/28/2011112800717.html

【社説】警察署長が暴行を受ける国、どう治めるのか

 ソウル市中心部の光化門周辺では26日夜、韓米自由貿易協定(FTA)の無効化を訴える違法集会が開催され、現場でソウル鍾路警察署のパク・コンチャン署長がデモ隊から集団暴行を受けた。
 パク署長は夜9時半ごろ、制服姿で東和免税店近くにいたデモ隊の先頭グループに近づき「野党5党の代表に話がある」と申し出た。
 するとデモ隊の間から「(警察)署長がやって来た」という怒号が聞こえたかと思うと、100人以上がたちまちパク署長を取り囲み、そのうち一部が罵声を浴びせながら殴り掛かってきた。
 デモ隊はパク署長の顔面を殴り、またその場に倒れたパク署長の左脇腹などを蹴り上げ、中には踏みつける者もいた。
 暴行を受けたパク署長は口や右頬、右肘を強打して負傷し、制服の左肩に付いていた階級章も奪われた。

 集会に参加していた野党の代表も、決して歓迎されていたわけではない。
 野党・民主党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)代表がマイクを握り
 「このような時こそ結束しなければならない。
 韓米FTAを無効化するため、民主党が先頭に立つことを約束する」
と語り掛けると、デモ隊の間からは「辞任しろ」などと非難の声が上がった。

 また、25日には自らマスコミ関係者と名乗る「ネズミキラー」という人物が、ツイッターに与党ハンナラ党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表の自宅住所を公表、
 「売国五賊の1人、洪準杓。
 汚物の投てき程度なら特別な予告無しに可能。
 近くに住んでいる人はぜひ実行を」
などと呼び掛けた。

 このように街頭やツイッターなどはすでに無法地帯と化し、政界は激しく侮辱されている。
 しかし当の政界も、これを非難できる立場にない。
 23日には警察がソウル市庁前で行われた違法デモを解散させるために放水を行ったが、これに対してコメディアンのキム・ミファ氏は「このように寒い日に放水するとは」と非難し、同じくコメディアンのキム・ジェドン氏は「放水され気分はめちゃくちゃだ」などとツイッターに書き込んだ。
 すると民主党はもちろん、ハンナラ党の一部議員までもがデモ隊ではなく、デモ隊を鎮圧しようとした警察に非難の矛先を向け始めた。

 街頭やネット、ツイッターで騒がしかった声は、つい先日までどれも野党を後押ししていたように感じられた。
 しかし野党は国会で与党と交渉し、国の行く末について議論するのではなく、選挙で自分たちを支持しそうな勢力の機嫌をうかがうばかりだ。
 またこのパターンは与党であっても大差ない。
 しかし街頭のデモ隊やツイッター勢力は、今や野党を自分たちの代理人とするだけでは満足せず、野党を押しのけて自分たちが政治の舞台に乗り込もうとするほどの勢いだ。

 治安を守り現場を指揮する警察署長が、首都ソウルの都心でデモ隊から集団で暴行を受け、与党代表の自宅へのテロ行為が公然と扇動されるのを目の当たりにすると、政界の権威はまさに地に落ち、法の秩序も完全に踏みにじられていると言わざるを得ない。
 このままでは来年の大統領選挙でどこの陣営が勝ったとしても、国を治める方法など見当たらないのではないか。




2011年11月28日08時31分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/937/145937.html?servcode=200&sectcode=200

<韓米FTA>「売国奴!」警察官、違法デモ隊から暴力受ける

 一方では法律をつくる国会議員が違法デモを行い、
 もう一方では国会議員が作った法律を執行する警察官が違法デモ隊に殴られる国。
 2011年11月26日の大韓民国、首都ソウルの現実だ。


ソウル光化門(クァンファンムン)で、韓米自由貿易協定(FTA)批准に反対するデモ隊から暴行を受けたソウル鍾路(チョンノ)警察署のパク・ゴンチャン署長は27日、中央日報との電話で、
 「警察が堂々と集会の主催者に会い、早期解散をお願いするのは当然のこと。
 崩れた法秩序を回復するためにも、いつでも(同じことを)する用意がある」
と述べた。

--今の心境は。
  「惨めだ。
 所轄警察署長として職分を果たそうとしたことだ」

--無理に行ったという指摘もあるが。
  「(そういう指摘は)警察署長としての自尊心を傷つけるものであり、これまで原則を守って警察生活をしたすべてのことを侮辱するものだ」

「韓米FTA阻止汎国民運動本部」(共同代表、イ・ガンシル進歩連帯代表、キム・ヨンフン民主労総委員長)は26日午後6時40分から、ソウル世宗路(セジョンロ)世宗文化会館前で「韓米FTA反対汎国民ろうそく追悼集会」を開いた。

民主党・民主労働党・創造韓国党・国民参与党・進歩新党などが「野党5党合同政党演説会」を名目に、事実上デモ場所を提供したのだ。
 現行法上、政党演説会は集会申告の対象でない点を利用した便法だった。

警察がこの日の演説会を違法デモと規定し、解散を呼びかけ、暴行事件が発生した。
 午後9時30分ごろ、民主党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)最高委員がデモ隊で演説していた際、パク署長がデモ隊列の先頭にいた野党5党代表と会うため、光化門広場の入口に向かって歩いていった。

この時、パク署長を見たデモ参加者が「売国奴」などと言いながら暴行し、階級章もむしり取った。
 一部の人はパク署長を趙顕五(チョ・ヒョンオ)警察庁長官と勘違いし、「売国奴の趙顕五だ」と叫んだ。

パク署長が暴行を受けたところは、08年の「BSE(牛海綿状脳症)ろうそくデモ」当時、デモ隊が青瓦台(チョンワデ、大統領府)に向かって行進しようとしたものの、警察が障害物として設置したコンテナボックスで阻まれた場所の近くだった。ろうそくデモ隊は警察のコンテナボックスを「明博(ミョンバク)山城」と呼んでからかった。

パク署長が全治3週間の診断を受けるなど、この日のデモで警察38人が負傷した。
 警察はパク署長に暴行を加えた疑いでキム容疑者(54)を27日、緊急逮捕した。
 趙顕五警察庁長官は「公権力に対する挑戦を容認してはならない」と述べた。

◇デモ隊の中にいた政治家

金鎮愛(キム・ジンエ)、朴映宣(パク・ヨンソン)、李鍾杰(イ・ジョンゴル)、鄭東泳(チョン・ドンヨン)、鄭範九(チョン・ボムグ)、千正培(チョン・ジョンベ、以上、民主党)、金先東(キム・ソンドン)、李正姫(イ・ジョンヒ、以上、民主労働党)、趙承洙(チョ・スンス、無所属)、シム・サンジョン(元進歩新党代表)、千皓宣(チョン・ホソン、国民参与党)。




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