2011年10月12日水曜日

プーチン首相訪中、中国は「期待と不安」

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● 朝鮮日報より




朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/12 09:30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/12/2011101200655.html

プーチン首相訪中、中国は「期待と不安」
「プーチン執権12年、中国にチャンス」
いつまた背を向けられるか分からない」

 ロシアのプーチン首相を迎えた中国の心境は複雑なようだ。期待と不安が入り交じっているように見える。

 中国は、強いカリスマ性を持ちながら実用面や経済を重視するプーチン首相に、少なからぬ期待を寄せている。
 プーチン政権下で政治的に安定している中、ロシアが経済的に復活するであろう今後12年間は、中国にとって大きなチャンスになるとの見方がある。
 シベリア産石油・天然ガスの安定供給も可能とみられている。

 国際政治的にも、ロシアは中国にとって重要な存在だ。
 依然として米国に次ぐ世界第2位の軍事力を保有するロシアを前面に押し出すことで、中国に対しけん制を強化している米国や日本に対抗できるというわけだ。
 北京大学国際関係学院の関貴海副院長は
 「中露間の包括的なパートナーシップ構築は、かつてないほど重要な時期を迎えている。
 双方の関係だけでなく、国際的にも大きな影響力を発揮することになるだろう」
と話している。

 その一方で「ロシアは信用できない」という声も少なくない。
 最近のリビア問題でも、当初は中露とも西側のリビア空爆に反対の立場を示していたが
 「ロシアのほうが先に暫定統治機構のリビア国民評議会(NTC)を認定したため、中国は外交的に孤立してしまった」
と中国側は不満を抱いている。

 訪中が迫った5日、ロシアの情報当局が
 「中距離防空ミサイルS-300に関する情報を収集しようとした中国人を逮捕した」
と公表したことも、体面を重視する中国側を当惑させた。

 「帝政ロシア時代から冷戦時代、旧ソ連時代に至るまで、
 常に中国よりも優位な立場にいたロシアが、心理的に中国を対等なパートナーとして受け入れられるだろうか
と根本的な点で懐疑的な見方もある。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/12 09:29
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/12/2011101200647.html

プーチン首相訪中、対中関係強化の意味
ユーラシア経済連合に中国の協力不可欠

 ロシアのプーチン首相は11日、1泊2日の日程で中国を公式訪問した。
 来年3月の大統領選への出馬を表明して以来、初となる外遊先として中国を選んだ。

 ロシア国民の強い支持を受けたプーチン首相は、順当に大統領に当選するとみられている。
 当選すれば、6年の任期を2回、最長で12年にわたり、政権を握る可能性が高い。
 今回の訪中で最大の目的は、経済難打開に向け、中国との経済協力を強化することと、
 1兆ドル(約76兆7000億円)の潜在的価値があるシベリア産天然ガスの価格交渉
で合意を目指すことだ。
 しかし、その背景にはさらに遠大な抱負が見え隠れする。

 プーチン首相は、来年の大統領選で当選すれば、旧ソ連のような大規模な連邦国家を樹立を目指す。
 欧州連合(EU)に対抗するために打ち出した「ユーラシア経済連合」構想だ。
 旧ソ連の人口の60%に相当する1億6500万人規模の共通市場をつくり、過去の影響力を回復することが狙いだ。
 今年8月15日には、モスクワでカザフスタン、ベラルーシの首相と会談し、2012年から3カ国間の関税同盟を発足させることを宣言した。
 プーチン首相は、ユーラシア経済連合を実現する上で、中国との関係安定とパートナーシップ構築が必須だと判断しているとみられる。

 大国ロシアの復活を夢見るプーチン首相にとって、中国はチャンスであり、試練でもある。
 中国は昨年、米国に次ぐ世界2位の経済大国に浮上し、経済力を背景として、軍事力も強化している。
 現在は軍事力でロシアが中国を上回っているが、その差は徐々に縮小している。
 プーチン氏が大統領を務めることになる12年間で両国の力関係が変わるかもしれない。

 急速に成長する中国は、大国復活に向け、経済建設が急がれるロシアにとってチャンスとなり得る。
 中国は既にロシア産石油・ガスの最大の消費市場に浮上した。
 中国が1年間に輸入する原油の5分の1をロシア産が占める。
 16年から30年間にわたり、シベリア産天然ガスを中国に供給するための交渉も大詰めを迎えている。
 欧州に続き、中国というエネルギーの安定した輸出先を確保すれば、
 「プーチン号」が率いるロシア経済にはカンフル剤となる。
 隣接する韓国や日本にも天然ガスを輸出する道が開ける。
 プーチン首相が今回の訪中に際し、国営天然ガス会社のガスプロム、石油会社ロスネフチ、アルミニウム大手ルサールなどの最高経営責任者(CEO)を含む160人の経済使節団を同行させている。

 しかし、今回の訪中の意味は、経済協力だけにとどまらない。
 西側世界に対抗する包括的な中ロ挙力関係を構築するという戦略的目標があるからだ。


 経済協力ならうまくいくだろう。
 だが、軍事大国の2国が国境線を境に接してくると、目に見えないあきれつが生じる。
 大国が間を置いて対峙あうるならさほどの問題もない。
 だが、この二国の関係は近親憎悪になってくる可能性がある。
 よほどに上手な外交が求められてくる。
 だが、中国はいまのところ外交ベタで恫喝外交しかやっていない。
 精錬された外交スタイルがとれるまでにはまだキャリアが不足している。
 それまでは恫喝がメインになると、ひじょうに困難がつきまとう。
 中国が本当の大国になるための試練かもしれない、ロシアとの関係というのは。


朝鮮日報 記事入力 : 2011/10/11 09:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/11/2011101100456.html

プーチン首相訪中、天然ガス交渉が焦点

 ロシアのプーチン首相が11日に訪中することを受け、中国の関心は両国が4年にわたり続けてきたシベリア産天然ガスの価格交渉に集中している。
 プーチン首相は1泊2日の日程で訪中し、胡錦濤国家主席、温家宝首相とそれぞれ首脳会談を行う予定だ。

 10日付の中国紙・新京報は、首脳会談では両国のエネルギー分野での長期協力が主要議題になると予想され、中でも天然ガスの価格交渉が最大の議題になると報じた。

 シベリア産天然ガスの導入問題は、2008年に温家宝首相とプーチン首相の間で合意が成立した。
 2014年から30年にわたり、ガスパイプライン2本を通じ、中国が毎年およそ700億立方メートルの天然ガス供給を受けるという内容だ。
 中国の専門家は、契約規模は約1兆ドル(約77兆円)に達する大型契約になると見通している。

 問題は供給価格だ。
 ロシアは国際原油価格と連動させ、1000立方メートル当たり300‐400ドル(約2万3000‐3万1000円)を要求する構えだ。
 ドイツ、ウクライナにも同水準の価格で輸出しているというのが根拠だ。

 これに対し、中国は石炭の国際価格を基準として、1000立方メートル当たり200ドル(約1万5000円)以下を主張している。
 これは中国が、中央アジアや中東から輸入している価格に相当する。
 
 中ロ両国は過去4年間、副首相クラス以上が出席して、毎年数回の交渉を重ねてきたが、合意には至らなかった。
 今年8月半ばに北京で開かれた実務レベル交渉では、ロシアが400億ドル(約3兆600億円)の先払いを条件に、価格を1000立方メートル当たり250ドル(約1万9000円)まで引き下げる譲歩案を提示したが、中国側はこれを拒否した。



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